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2013年04月04日 (木) | Edit |
昨日の記事で「団地とは」「建築家とは」「リノベ―ションとは」という定義の話をしました。
 
今日は,「偉人とは」です。

これまで「四百文字の偉人伝」をはじめ,偉人ネタを多く載せてきたのですが,「偉人とは何か」については,あいまいにしてきました。このへんで私の考えを説明しておきます。

【偉人】
それぞれの分野で著しい業績をあげ,歴史に名を残した人。


「著しい業績」というのは,「すばらしい仕事をした」というのが中心ですが,「反面教師的に名を残した」とか,「功績も罪悪も大きい」といった場合も含みます。つまり,かならずしもストレートに「偉い,尊敬できる」人でなくてもいい,と。

たとえばヒトラーなどは,「反面教師的に名を残した」という部類に入ります。

「功績も罪悪も大きい」というと,たとえば毛沢東がそうでしょうか。中華人民共和国の建国という大きな功績がある反面,政策の誤りで経済の大混乱や飢餓などをひき起こし,何千万人もの犠牲者を出したりしているからです。

また,「著しい業績」というのは,「その業績が,今の世界に直接・間接に影響をあたえている」という意味を込めています。芸術家ならその作品が,科学者ならその研究が,実業家ならそのビジネスが,政治家ならその政策が,後世に大きな影響をあたえたということです。「後世に遺産をのこした」といってもいいです。

世界レベルでの遺産を残した人もいますし,日本などの国内レベルの場合もあります。あるいは,「地域・地元の偉人」というのもあるでしょう。
 
また,「歴史に記録は残っているけど,何を後世に残したのかよくわからない」という人物もいます。たとえば,一部の歴史好きしか知らない,「業績」のはっきりしない戦国武将などはそうです。これは「歴史上の人物」とはいえますが,「偉人」とは別ものだと思います。

それから,「それぞれの分野で」というのにも,意味を込めています。

「広く一般には知られていなくても,ある分野では大きな業績があり,専門家のあいだでは高く評価されている」という人物がいます。それも「偉人」に含まれる,と考えます。「その分野の偉人」ということです。そして,どの偉人にも自分の分野があります。その分野がメジャーかマイナーかによって,偉人の知名度が変わってきます。

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電子書籍『四百文字の偉人伝』では,時代・国・分野を問わず100人ほどの偉人をとりあげています。

つまり,「世界レベル」の偉人が中心です。さまざまな分野をみわたしたうえで,その分野における「人類の代表」といえるような人が多いです。

たとえば,科学におけるガリレオやニュートンやアインシュタイン,音楽におけるバッハモーツァルトやビートルズのような,おなじみの人たち。
 
それに加えて,「日本レベル」の偉人もとりあげています。

たとえば西郷隆盛や大久保利通や勝海舟のような,幕末の偉人はそうです。この人たちの仕事の影響は,おもに日本国内に限定されています。ただし,「アジアで最初の近代国家をつくる社会変革をおしすすめた」という意味で,「世界的」ともいえるのですが。

同じ日本人でも,たとえば「トヨタ生産方式」を生み出した技術者・大野耐一は,「工業技術」という分野で,ストレートに「世界的な仕事をした」といえるでしょう。
 大野の時代(20世紀後半)になると,グローバル化がすすんだので,日本での突出した仕事が,世界に直接影響をあたえるということが,しばしばおこってきます。現在はますますそうなっているわけです。

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「四百文字の偉人伝」のシリーズを,私は「人類のさまざまな文化遺産への入門」というつもりで書いています。それだけではありませんが,そこは重要な柱です。それぞれの偉人がかかわるさまざまな世界・分野を知るきっかけになれば,ということです。

少しおおげさにいうと,100人あまりの偉人をとりあげた『四百文字の偉人伝』という本には,人類の文化遺産のいろいろな領域につながるドアが,いたるところにセットされているのです。科学,哲学,発明,探検,美術,音楽,政治経済,企業経営,社会事業などなど……

そして,この本にある,そんな「さまざまな世界」を垣間見ることを100回もくり返すことで,みえてくるものがあります。

「この世にはいろいろなすばらしいもの,意義のある仕事,知るに値することがあるんだなあ」 

そんな視野がひらける感覚です。これは,私自身が100人あまりの偉人のことを書いていて,味わった感覚でもあります。そして,「400文字」だからこそ,わりと手軽に100回のくり返しができるのです。

(以上)

電子書籍『四百文字の偉人伝』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)は,アマゾンKindleストア楽天Kobo,ディスカヴァー社のホームページにて400円で販売中。

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テーマ:歴史雑学
ジャンル:学問・文化・芸術