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2013年05月16日 (木) | Edit |
5月13日の記事で,「団地リノベ暮らし」の我が家の,最大の設備である「本棚」をご紹介しました。

ウチにある本棚ぜんぶの写真です。(5月13日 団地リノベの本棚  カテゴリー:団地リフォームと住まい

これらの本棚の総延長(棚板の長さの合計)は,おそらく90m前後。

遊びに来た人に,「何冊くらいあるの?」と,たまに聞かれます。

たぶん6000冊前後だと思います。文庫も雑誌もぜんぶ合わせて,そのくらい。

これは,ふつうのサラリーマンであれば,相当多いです。20坪の団地に収まっている本の量としても,かなり多いでしょう。

でも,「読書家」といわれる人たちや,職業的に本と付き合う人(研究者,物書きとか)の尺度では,ささやかな蔵書です。私の知り合いの読書家にも,私よりもずっと多くの本を持っている人が,何人かいます。本棚をみた友人に,「そんなには本を持ってないんだね」といわれたこともあります。

日本でトップクラスの蔵書家は,「数万~10数万冊」の本を,個人で所有しています。たとえば,作家の司馬遼太郎の蔵書は「数万冊」といったところ(ネットで調べると「6万冊」という数字がありました)。私が尊敬する学者の板倉聖宣さん(科学史家,教育学者)も,そのくらいです。

日本でトップレベルの知識人が「数万冊」なんだから,私たちの蔵書がその10分の1くらい,というのは結構な量ではないかとも思います。

***

ところで,3年ほど前の新聞記事(『日本経済新聞』2010年9月25日)の文化欄に,政治学者・丸山眞男(1914~1996)の蔵書のことが出ていました。

丸山は,「戦後日本を代表する政治学者」などといわれます。記事によれば,その《膨大な蔵書が全面公開》された,とのこと。

《丸山の蔵書類を保存する東京女子大学の「丸山眞男文庫」が,7月末,…生々しい書き込みや折り込みを含めた図書5800冊と草稿約300点を公開。これで丸山の蔵書類のほぼすべてが閲覧可能になった。》
 
私は一瞬目を疑いました。ヒトケタちがうんじゃないかと。

「戦後を代表する政治学者」の蔵書が5800冊? オレと変わらないじゃない(^^;) それが「膨大な蔵書」?

でも,なんとなく「そうなんだろうな……」とわかる気もしました。

私は丸山の著作は,ほんの少し読んだことがあるだけですが,それらは「特殊な資料を含む膨大な文献を駆使して書いた」というのとは,ちがいます。ある程度かぎられた文献だけを読み込んで,あとは「問題意識」や「料理の仕方」で勝負する感じです。「論文」といいながらも評論的な文章なのです。

私がそう感じるのは,板倉聖宣さんの仕事のような,まさに「膨大な資料を駆使した」文章に触れてきたせいだと思います。

板倉さんは,たとえば「脚気の研究史」の本(『模倣の時代』上・下,仮説社)を書き上げるのに,リストにまとめると百数十ページにもなるような,大量の参考文献にあたる学者です。

司馬遼太郎だって「司馬がある人物について書きはじめると,関連する本が古書店から消えてしまう」といわるほど,資料を買い集めたのです。丸山は,そういうタイプではないようです。

まあ,丸山眞男がどんな学者だったかということは,ここではこれ以上立ち入りません。

いずれにしても,「戦後の大知識人」の蔵書と「団地の書斎」の蔵書は,質や内容はともかく,同じくらいの冊数ということです。

これを知って,なんだかちょっとうれしくなったのでした(^^;)。だから,どうということでもないんですけどね……

でも,「団地の書斎」だって,それなりにいろいろできそうだ,という感じはしたわけです。

(以上) 
 
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