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2013年05月24日 (金) | Edit |
昨日の株価の急落(日経平均株価が1143円下げた)をみていると,つくづく「金融経済と実体経済のテンポのズレ」ということを感じます。

実体経済は,企業業績や個人消費など,よくなる動きがみえていて,それは一応続いている。

株価などの金融経済は,実体経済よりもせっかちに先に行こうとしてしまう。実体経済と金融経済のあいだには,どうしてもズレやギャップが生じてしまう。

そのなかで「市場」の参加者の心理を揺さぶるような何かが起きると,それにたいする反応がわっと起きてしまう(今回のその「何か」は,新聞によれば,「中国景気への懸念」などでした)。

こういう動きをみて,「やっぱり,金融とか株とか好景気とかいうのは,いかがわしい」ということがあちこちでいわれるのかもしれません。

でも,感情や気分で「いかがわしい」とばかりいわないで,経済にたいするもっと明確なイメージにもとづいてものごとをみる人が増えてほしいと思います。

たとえば,金融経済について,それが「短期志向」でせっかちになるのは,「社会のお金の流れを活発にする」という金融本来の役割からして,当然といえば当然です。 

関連記事:金融のいかがわしさの根底にある短期志向

実体経済だと,たとえば新しい設備投資が実行されて成果を上げるまで,年単位の時間を要することもあります。これは金融で求められるテンポとはちがいます。「市場」参加者は,もっと早く成果を出したいのです。

そういう「金融」と「実体」のテンポのズレのようなものを,基本イメージとして持っているだけでも,経済の見方はちがってくるように思います。

たとえば,「実体」が徐々によくなっていても,「金融」が先に行きすぎると,「調整」がおきることもある。今回についてもそんな見方が(ひとつの仮説的イメージとして)うかんでくるはずです。

そういう見方ができないと,今回のようなことは,ただ「わけのわからない不安なできごと」として映ってしまいます。

もし「わけのわからない不安」が広がってしまうと,とにかく「急いで株を売らなきゃ」とか「やっぱり財布のヒモを締めないと」といった動きになっていく……

でもほんとうは,世の中で「株価が少し下がったから,ここでちょっと買っておこう」なんていう人が増えたほうが,株価も安定してくるわけです。

そういう「ちょっと冷静な人」が世の中で分厚くいる経済は,安定性が高いです。「金融」と「実体」のギャップからくるあつれきを,いろいろ緩和してくれる動きが生じるから。

私自身も含め,経済についての教育・啓蒙がもっと必要だと思います。

(以上)
 
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