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2013年06月17日 (月) | Edit |
 今日6月17日は,デザイナーのチャールズ・イームズの誕生日です。
 そこで,彼チャールズと妻レイのコンビ,チャールズ&レイ・イームズの「四百文字の偉人伝」を。古今東西の偉人を,400文字程度で紹介するシリーズ。今回は2本立て。

カテゴリー:四百文字の偉人伝

イームズ夫妻

まず「つくるための道具」をつくる

 夫チャールズ(1907~1978 アメリカ)と妻レイ(1912~1988)のイームズ夫妻(チャールズ&レイ・イームズ)は,モダンデザインの名作イスをつぎつぎと生み出し,後世に大きな影響を与えたデザイナーです。
 イスの試作品づくりを,彼らは家具メーカーにまかせず,自分たちのオフィスで行いました。
 ふつうは図面を渡してつくってもらいますが,彼らは自分たちの手を動かして,デザインの細部をつめていきました。
 さらに,材料のベニヤ板を曲げる特殊な器具さえも,研究して自作しています。
 多才な彼らは,数多くの短編映画も製作しました。
 それらは,彼らのオフィスで撮影された手づくりの映画でしたが,先駆的な発想や技術が高く評価されています。映画づくりでも,彼らは撮影器具を自作したことがあります。イメージを実現できる適当な既製品がなかったからです。
 本当に新しいモノをつくる人は,「モノをつくる道具」から自分でつくり出します。
 たいへんですが,創造とはそういうものなのでしょう。

イームズ・デミトリオス著,泉川真紀監修・助川晃自訳『イームズ入門』(日本文教出版,2004),『カーサ ブルータス特別編集 Eames-The Universe of Design』(マガジンハウス,2003)による。

【イームズ夫妻(チャールズ&レイ・イームズ)】
デザイナー・映像作家。成型合板(ベニヤ板の一種)やFRP(繊維強化プラスチック)等の新素材を用いて,イスのデザインを革新した。住宅「イームズ自邸」や短編科学映画「パワーズ・オブ・テン」も評価が高い。

チャールズ・イームズ
1907年6月17日生まれ 1978年8月21日没
レイ・イームズ
1912年12月15日生まれ 1988年8月21日没


イームズ夫妻2

よけいな「改善」はしない

 夫チャールズと妻レイのイームズ夫妻(チャールズ&レイ・イームズ)は,モダンデザインの名作イスをつぎつぎと生み出したデザイナーです。ほかに映像やグラフィックデザインなど,さまざまな分野で活躍しました。
 1950年代のこと。彼らはビール最大手・バドワイザーの新しいロゴをデザインしてほしいという依頼を受けました。
 しかし6か月後,「バドワイザーのロゴは,このままで十分にすばらしい」といって,仕事を断ってしまいました。
 そのロゴは,その後何度も改訂されましたが,基本のイメージは長く継承されました。
 多くのデザイナーがあこがれるような大きなオファーです。けんめいに取り組んで,自分の作品を後世に残したいと思うのがふつうです。
 しかし彼らのスタンスは,あくまで「よけいな改善はしない」ということでした。
 自分の存在を残すことよりも,「使う人にとって何がよいか」を優先したのです。
 そして,そこを見きわめる眼力がありました。こういう人はまれです。
 だから,世の中では上に立つ人が変わると,やたら「刷新・改革」が唱えられます。そして,成果のあがらないことが多いのです。

イームズ・デミトリオス著,泉川真紀監修・助川晃自訳『イームズ入門』(日本文教出版,2004)による。

「四百文字の偉人伝」は,古今東西のさまざまな偉人を,400文字ほどで紹介するシリーズ。このブログでときどき載せています。(カテゴリー:四百文字の偉人伝
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テーマ:建築デザイン
ジャンル:学問・文化・芸術