FC2ブログ
2013年06月18日 (火) | Edit |
 「自分で考える勉強法」シリーズの27回目。
 このところ,「科学とは」「学問とは」という話をしています。
 前回と前々回は「科学になっている学問とそうでない学問がある」と述べました。


科学者の言うことだからって,
信用できるとはかぎらない。


 「科学になっていない学問については,権威のありそうな学者の言うことでも,うのみにしてはいけない」ということを,前の項で述べました。

 さらに言えば,科学者≒自然科学の研究者の言うことでも,信用できるとはかぎりません。

 まず,自分の専門外のことについて言っている場合です。
 たとえば,物理学者がノーベル賞をもらったりすると,「社会のリーダー」ということになって,社会や歴史の問題について発言することがあります。

 しかし,その人が若いころから熱心に研究してきたのは,あくまで物理学です。社会や歴史については詳しくなかったり,偉くなってからの付け焼刃だったりするかもしれません。
 卓見が述べられることはもちろんあるでしょうが,ありがたがってばかりではいけません。

 つぎに,自然科学ではあっても,科学としての信頼度が低い分野があります。
 たとえば,健康や環境に関する分野です。地震や火山の研究もそうです。

 これらの分野は,歴史がまだ浅いのです。だから,昔「正しい」と言われていたことが,あとで「まちがいだった」「不十分だった」ということが,よくあります。

 たとえば,以前は「傷口は消毒する」というのが常識だったのに,最近は「傷口は水で洗ったら,消毒しないでラップなどで覆い,乾かさないようにすると治りが早い」などと言います。

 このように,「そんなこともわかっていなかったのか」ということが,いろいろあるのです。

 「健康や環境にいい物質・悪い物質」について,いろんな話が出てきますが,時間が経つとすっかり忘れられていることがあります。

 地震や火山の噴火があると,専門家はいろんな解説をしてくれます。でも,「これからどうなるか」ということになると,まったく歯切れが悪くなります。

 健康や環境や地震についての研究が,インチキだなどと言っているのではありません。
 これらの分野にも,信頼できる成果というのは,もちろんあるのです。

 ただ,その蓄積が比較的限られている。だから,「地震を予知して欲しい」といった世の中のニーズに応えきれていない,ということです。なのに,無理に応えようとする専門家もいて,あやしいことを言ってしまう。

 そういう,科学や学問の実態について,私たちは知っておく必要があります。

(以上,つづく)

関連記事
テーマ:哲学/倫理学
ジャンル:学問・文化・芸術