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2013年09月28日 (土) | Edit |
 「自分で考える勉強法」シリーズの51回目。

 このところ,「文章論」について述べています。
 今回は,「真似・借用」について。文章にかぎらず,何かを生み出すうえで重要なこと。それをどう考えるか。


どんどん真似しよう。どんどん借用しよう。
そして,そのことを隠さない。


 文章を書くなら,いいと思うものはどんどん真似しましょう。
 感動した言葉は,どんどん借りて使いましょう。
 どんなに真似したって,借りてきたって,あなたらしい個性は出てくるものです。良しにつけ悪しきにつけ,そうなのです。

 ただし,気をつけなくてはいけないことがあります。

 文章を書いて発表するときは,「真似や借用について隠さない」ということです。

 他人の言葉や考えを「引用」するのはいいのです。一定の制約はありますが,原則的にはかまいません。しかし,他人から借用しながら,それを隠して自分のオリジナルだと偽ったら,「盗作」です。

 創造とは,他人のつくりあげたものを受け継ぎ,それに新しい何かをつけ加えることです。
 新しいものを生み出すには,まず先人の仕事をふまえることです。

 だから,「自分の仕事が,先人のどんな仕事に負っているか」「どこまでが先人の成果で,どこからが自分のつけ加えたものなのか」をはっきりさせることは,創造的であろうとするかぎり,きわめて重要なのです。

 このシリーズは「創造のための学び方」がひとつのテーマです。
 「他人からの借用」に関して,いい加減なことはできません。

 そこで,こんな軽い文章にしてはめずらしく,出典をわりあいきちんと示すようにしています。最低限,「これは誰が言っている」ということは書きます。きちんとした論文なら,「誰の,何という著作の,どこに」というところまで示さないといけません。

 すべてにわたってそうする必要はありません。板倉聖宣さんによれば,オリジナルかどうか《読者にとってとくにまぎらわしいものについてだけ,その出所を明らかにする》のです(『増補版 模倣と創造』仮説社 1987)。

 ***

 私はこのシリーズで,板倉聖宣さんをはじめとする先生たちの考えを,多く引用したり借用したりしています。というより,このシリーズで述べている重要な部分のほとんどが,そうした先生の著作やお話をもとにしている,と言ってよいでしょう。

 しかし,ただ先生と同じことを口真似しているのとはちがいます。
 私は,先生の言ったことを,自分の経験やほかの書物で検証してみて,「やっぱりそうなんだ」と納得したことだけを書いています。

 自分自身でやってきたこと,試してきたことだけを書いているのです。
 だから,先生と同じテーマを扱っても,私なりの言葉で書けていると思っています。

 また,このシリーズは何十という小さな断片の集まりで,断片の冒頭に,目立つ文字でキャッチコピー的な表題がついていますが,これは,いろんなビジネス書でみられるスタイルです。
 私が初めて意識したのは,1990年代に読んだ中谷彰宏さん(ビジネス書のベテランで,何百という著作がある)の本からでした。読みやすいスタイルだと思います。

 真似や借用をみっともないことだと考える人がいます。
 そういう人のなかから,他人の創造を自分のオリジナルと偽る人が出てくるのです。そういう人には,先人の成果を活用して,そこから自分独自のものをつくり出すことはできないのです。

(以上)
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