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2013年11月02日 (土) | Edit |
 「自分で考える勉強法」シリーズの60回目。

 このところ,「文章論」を続けてきましたが,今回でひと段落。
 具体的な文章の書き方よりも,「とにかく書いてみよう」ということを,いろんな側面から述べてきました。
 より具体的な「書き方」の話も,一種の「補足」としていずれ書いていきたいです。


他人の批判から早く抜け出して,
「自分の仕事」をしよう。


 二十代前半のころの私は,他人の批判ばかり書いていました。「あの本のここが駄目だ。なぜなら……」といったものばかり書いていたのです。
 「これだ」という先生を決めて,その発想を自分のものにしようと,先生の本を熱心に読んでいたころのことです。

 少し勉強すると,その成果を何かに使ってみたくなります。
 そこで一番簡単なのが,他人の批判です。先生とはちがう立場や考え方の人の本を読めば,「これはちがう」と思えるところが結構みつかります。

 その本の著者がかなり有名だったりすると,うれしいものです。自分もいっぱしの「知識人」になったような気がしてきます。批判をノートにでも書いていると,興奮してどんどん書けてしまう。

 そういう時期があってもいいと思います。
 先生の発想を身につけるトレーニングになるでしょう。少なくとも,書く練習にはなります。すぐれた先生たちでも,若いころに「他人の批判」を書いていたケースは多いです。

 でも,「他人の批判」からは,早く抜け出したほうがいいです。

 あなたが向上し,周囲や社会に貢献するには,「他人の批判」ではなく「自分自身の積極的な主張や情報」を出していく必要があります。「自分の仕事」を早くみつけて,進めることです。そのほうが楽しいです。

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 二十代半ばのとき,原稿用紙で百数十枚の「大論文」を書いて,ある先生(これまでこのシリーズで何度も出てきた板倉聖宣さんや南郷継正さんとはちがう方です)のところへ送ったことがあります。
 その先生は多忙な方なのに,書いたものを送ると,すぐにハガキで感想を返してくださいました。誰に対してもそうなさっている,と聞きました。

 先生からのハガキには,私がある研究者を批判して書いた箇所を指して,「こういうケチつけから,早く抜け出すように」とありました。そして,「自分のテーマや主張があるなら,堂々とそれを進めていきなさい」ということをおっしゃっていました。

 そのころから,私はだんだんと「他人の批判」を書かなくなっていきました。

(以上)
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