FC2ブログ
2014年01月12日 (日) | Edit |
 昨日ポストに,私の電子書籍を出してくれている出版社からの,郵便が届いていました。
 封筒をあけると,「平成25年度分 報酬,料金,契約金および賞金の支払調書」というものが入っていました。
 つまり,「私の電子書籍の去年の印税がいくらだったか」という書類です。

 そう,私は印税を受け取っているわけです。

 「印税生活」ってことでしょうか?

 じつは,その金額たるや,微々たるもの。
 このあいだ親戚の子どもにあげたお年玉以下,といっていいです(^^;)

 電子書籍というものを出してみて,しみじみわかりました。
 
 私のような無名の著者にとって,電子書籍を買ってもらうこと,そこから収入を得ることは,きわめてむずかしい。
 
 これは,今まで私が経験したささやかな「出版」のケースとくらべても,そういえると思います。
 
 ***
 
 私は,1度だけですが,共著(2人)で紙の本を商業出版したことがあります。
 子ども向けの社会科関係の本です。
 
 紙の本というのは,出版にあたってまず一定の部数を刷ります。
 有名でない著者だと「何千部」というところでしょう。

 そして,一般的な契約だと,その「何千部」の売上額相当×数%~10%くらいが,著者に入ってきます。
 私のときも,そうでした。
 だから,地味な出版でも,最低で十万円単位くらいの収入には,なります。

 それから,NPO法人による私家版の出版物も,著者として何冊か出しました。
 「私家版の出版物」とは,「一般の書店で売られていない」ということ。
 
 私がかかわったNPOは,「私家版」といっても,かなり本格的でした。千部単位で刷って,独自のつながりでそれらを売っていくことを相当程度行っていたのです。その売上から,一定の「印税」を著者が受けとることになっていました。

 電子書籍の「印税」は,どうなっているのか?
 電子書籍の場合,一般的には「実際に売れた額×一定の%」が著者に入ります。その「一定の%」は,紙の本よりも高いことがほとんどです。
 紙の本の場合は,(一般には)まず最初に刷った「何千部」からの印税が入るわけですが,そういうものは,電子書籍では存在しないのです。

 それでも,電子書籍が売れさえすれば,それなりの印税が入ります。

 でも,私の本は非常に売れていませんので,印税も皆無というわけです。

 とはいえ,電子書籍のなかで「最低クラス」でしか売れていないわけでもありません。アマゾンが販売する電子書籍「キンドル本」が十数万点(13年末現在)あるなかでのランキングをみると,私の電子書籍はこれまで上位の数分の1に入っていました。瞬間的に上位数パーセントのこともありました。

 それだけ電子書籍というものの売れ行きが,今はまだ小さいということなのでしょう。

 「印税生活」などというタイトルですが,これは自虐を込めています。私が今得ている「印税」は,「小遣い」にすらならない額なのですから。
 「紙の本の(ささやかな)出版」や「NPOでの出版」のときは,「小遣い」くらいにはなっていたのですが……

 もちろん,売れないのは,いろんな意味での私の力不足。
 著者なりに「売る」努力をすることも大事だと思っています。

 本は書くだけではダメで,「売る」ことがむしろ本番である……そのことはNPOでの出版にかかわって知ったことです。あのときは「いかに売るか」について組織をあげて,いろいろ取り組みました。
 
 ***

 ところで,私が出している電子書籍の1冊に『四百文字の偉人伝』というのがあります。
 古今東西のさまざまな分野の偉人を400~500文字で紹介する,ショート・ショートの「偉人伝」を100本ほど集めたもの。このブログでも「シリーズ」として一部を載せています。

 カテゴリ:四百文字の偉人伝

 電子書籍『四百文字の偉人伝』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)
 アマゾンKindleストア楽天Kobo,ディスカヴァー社のホームページなどにて販売,400円
                     
四百文字の偉人伝四百文字の偉人伝
(2013/02/04)
秋田総一郎

商品詳細を見る


 ああ,この『偉人伝』も売れてないなあ……と思いながら,今日書店を歩いていると,あるベストセラーが平積みになっているのが目にとまりました。

 水野敬也ほか『人生はワンチャンス!』という本。
 
人生はワンチャンス!   ―「仕事」も「遊び」も楽しくなる65の方法人生はワンチャンス! ―「仕事」も「遊び」も楽しくなる65の方法
(2012/12/11)
水野敬也、長沼直樹 他

商品詳細を見る

 水野さんは,ベストセラー『夢をかなえるゾウ』の著者。
 帯をみると,続編とあわせて「シリーズ累計95万部」とあります。
 
 この本も「ショート・ショートの偉人伝を集めたもの」です。
 さまざまな偉人の,1話400文字前後のエピソードが,教訓や名言とあわせて数十本載っています。

 ていねいに編集され,ひとつひとつの文章の読みやすさ,エピソードの切り取り方,込められたメッセージ等々,いろいろ共感できる,読むに値する本だと思います。

 「共感できる」と書きましたが,それはそうだなあ,とも思います。

 この本は,『四百文字の偉人伝』と,おおいに共通したところのある本だからです。少なくとも,私はそう思っています。

 「偉人もの」の本はたくさんあるのですが,「私の『四百文字の偉人伝』に似た本は,世の中にはない」と,以前は思っていました。でも,この本が登場して,そうでもなくなったと思います。

 なお,先にできたのは『四百文字の偉人伝』のほうです(原型の『三百文字の偉人伝』は2007年に楽知ん研究所から出版,現在の電子書籍版は2012年3月末リリース,『人生はワンチャンス!』は2012年12月刊)。

 さらにいうと,「三百文字の偉人伝」の何篇かをはじめて発表したのは,10年以上前。『楽知んカレンダー』(楽知ん研究所刊,各年版あり)の2002年版などでのことでした。

 もちろんだからといって「マネをされた」とか,そんなことをいっているのではありません。水野さんの本の参考文献らんにも,私の電子書籍はあがっていません。
 「四百文字の偉人伝」的なショート・ショートの偉人伝のスタイルは,私は私で独自にあみ出したのですが,ほかの誰かが考えてもおかしくないと思います。それだけの「普遍性」がある,と思っています。

 それにしても,片や100万部に迫る勢いで,片や(私のほう)は,印税が小遣いにもならないレベル。

 うーん,その違い(そこまでの大きな違い)はなんだろう?
 それが自分としてははっきりと「みえない」ので,私にはベストセラーを生むセンスはないのかも……ここは,今後の課題ですね。

 水野さんの本については,去年のはじめころ,この本が出てまもなく気がつきました。

 その後,この本がベストセラーになったので,私は出版社に「『四百文字の偉人伝』も,紙の本で出してもらえませんか?少しは売れないでしょうか?」などと申し出たのですが,「今はむずかしい」とのことでした。

 しばらく,この本のことは忘れていましたが,本日また思い出した次第。

 それにしても,そのうち誰かが私に「『四百文字の偉人伝』って,最近ベストセラーのあの本をマネたのでしょう」と言ってくるかもしれない,と思っていました。
 そうしたら,このブログで「いや,ああいうスタイルの偉人伝は,私のほうが先で…」という話を書こうと思っていたのです。
 でも,誰も言ってきません(^^;)。

 それだけ,私の本は「気がつかれていない」ということでしょう。
 なんとかしたいものです。
 「無名の壁」を,どうにか少しでものりこえて,多くの人に読んでもらいたいです。

 手前味噌ですが,私は自分の本を「多くの偉人の短い話を集めた本のなかでは,とくに意味のある仕事」だと勝手に思っているのです。

 (いい知恵があったら,どうか教えてください)

(以上)
関連記事
テーマ:思うこと
ジャンル:学問・文化・芸術