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2014年07月16日 (水) | Edit |
 もう過ぎてしまいましたが,7月3日は作家フランツ・カフカの誕生日。
 「7月の偉人」ということで,彼の「四百文字の偉人伝」を。古今東西のさまざまな偉人を,400文字ほどで紹介するシリーズ。

カフカ

発表できなくても,野心作をとにかく書いた

 フランツ・カフカ(1883~1924 チェコ)は,前衛的な作品で20世紀文学に多大な影響を与えた作家です。
 でも彼は,生前はほとんど無名でした。作家としては生活できず,保険会社に勤めながら,小説を書き続けます。会社から帰って夕食をとってから深夜,ときには明け方まで机に向かう毎日。
 しかし,作品の多くを発表できないまま,結核のため40歳で亡くなりました。
 遺稿となった小説(全作品約70編のうち本数では半数以上,分量的には大部分)は,のちに友人の作家の手で出版されました。
 そして,死後20年余り経って,哲学者サルトルなどの著名人が高く評価したことで,世界的に知られるようになったのです。
 発表できなくても,とにかく書く――それは,彼が無欲で謙虚だったということでしょうか?
 いや,むしろ「新しい文学をつくってみせる」という大きな野心が,彼を支えたのではないでしょうか?
 そうでなければ,挑戦的な質の高い作品を,何十編も書き続けることなどできないはずです。

『ダ・ヴィンチ解体新書vol.2人気作家の人生と作品』(リクルート,1997)所収の池内紀氏の発言に教わった。このほか,池内紀・若林恵著『カフカ事典』(三省堂,2003)による。

【フランツ・カフカ】
20世紀文学の重要な作家。その作品は「不条理」「疎外」「孤独」「不安」などの言葉で語られることが多い。たとえば代表作「変身」は,主人公が朝起きるとなぜか大きな虫になっている,という書き出し。
1883年7月3日生まれ 1924年6月3日没

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 私は「就職に関する相談」の仕事をしています。キャリア・カウンセラーというものです。
 そこでたまにですが,作家志望の人にお会いすることがあります。相談の内容は「作家になるには?」ということではなく,「すぐには作家にはなれないので,まずは就職しないと・・・」ということですが。

 そのような方は2つに分かれます。
 新人賞などに応募するための作品を書きあげたことがある人と,そうでない人。
 圧倒的に多いのは「まだ書いたことがない」という人。でも,何か書かないことにははじまらないのです。
 
 さらに,「書き上げたことがある人」は「実際に新人賞に応募したことがある人と,そうでない人」に分かれます。 「応募したことがある」という人は,やはり少ない。小説を書きたいのであれば,デビューの方法は比較的はっきりしています。作品を書いて何かの新人賞に応募することです。

 私も何か書いて発表したり出版したいと思ってきました。
 思うようには書けていません。でも2,3冊分の原稿はなんとかまとまったので,それを出版社に持ち込みました。私の書くジャンルは,小説のような「新人賞」がないのです。なんのツテもない出版社でしたが,「電子書籍でなら」ということで出してもらえました。

 それなりに書くことを続けているつもりのオジさんとしては,じつにささやかな成果で,恥ずかしい気もします。でも,原稿が日の目をみたのはやはり「成果」であり,うれしいことです。

 とにかく,何か書いて完成させないことにははじまらない。
 でも,「これを書いてどうなるんだろう」という,発表のあてのない原稿を書きつづけるのは,たいへんです。
 たしかにカフカはすごい。

 私もカフカを見習って,今書いているのをなんとか完成させないと・・・
 深夜・早朝や土日に書くのです。「いい年して何をやっているんだ」と思うときもありますが,まあいいでしょう。
 
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  「四百文字の偉人伝」は,古今東西のさまざまな偉人を,400文字ほどで紹介するシリーズ。このブログでときどき載せています。(カテゴリー:四百文字の偉人伝
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