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2017年11月30日 (木) | Edit |

 世界史セミナー
 11月27日セミナーの様子

先日27日、予定していた世界史のミナーを開催しました。
女子限定・5000年を2時間でみわたす・大人のための
世界史「超・要約」セミナー 
というもの。

ご参加のみなさま、ありがとうございました。お忙しいなか、1日の仕事や活動を終えてお疲れのところ来てくださって、うれしいかぎりです。
また、告知やご案内に対してお声がけくださった多くのみなさまにも感謝です。また開催しますので、よろしくお願いします。

今回は試みで「女子限定」としました。また、これまで私が行ったセミナーは土日中心でしたが、平日の夜にお勤めの方なども来ていただけるようにと新宿駅から徒歩圏の場所(西新宿)を会場としました。

今回のセミナーは、拙著『一気にわかる世界史』(日本実業出版社刊)をベースに、世界史5000年あまりの歴史の大きな流れを2時間でお伝えするというもの。

いただいた感想の中から。

たいへんわかりやすく整理された内容で面白かった”
“学校の歴史の授業では時間切れになりがちなので、全体を通してみるのは良い試みですね”
“大きな流れを学ぶことは必要ですね”

“2時間がとてもとても短い気がしました”
“頭のなかはアップアップ状態ですが、少なくとも大きなイメージができたのはとてもうれしい気分”
“世界史超要約2時間スペシャル、面白かったです。世界地図上でイメージがなんとなくできたことと、これからの(未来の)ことがなんだか見えてきそうな気がしました”
 

また、本セミナーではスライドを用いてお話しましたが、そのなかで世界史上の建造物や文化遺産もいろいろご紹介しました。そういう視覚的な情報も、こういうセミナーならではのこと。そこで、

“(自分が)建築物などに興味があるということに気づきました”

という方も。私も建築は好きですし、世界史のイメージを持つうえでは重要だと思います。

このセミナーのポイントは、やはり「5000年を2時間で」というところ。
上記の感想でも述べておられますが、学校の歴史の授業は多大な時間をかけ、くわしくいろんなことを取り上げます。だから、全体像がつかみにくいです。

拙著『一気にわかる世界史』へのアマゾンでのレビューでも、こう述べている方がおられました。

“「世界史を勉強しよう」と思っても、ギリシャ・ローマあたりで飽きてしまったり、世界大戦をやっているころにはルネサンスをすっかり忘れていたり...となかなか身につきませんでした”

分厚い本や1年かけて学ぶ学校の授業だと、たしかにそうなります。そして、現代史の頃になると時間がなくなってきたり、受験の本番シーズンになって、じっくり授業ができなくなってしまうことも。セミナーに参加された方の感想にもあった「時間切れ」です。

でも、レビューを寄せてくださった方は、拙著を読んで“今では世界史を3分で説明して、と言われてスラスラ説明できるようになりました”とのこと。

拙著について、別の方のアマゾンでのレビューでは、こうありました。

“中学高校の世界史の授業最初の2、3コマを使ってこの本(『一気にわかる世界史』)を読み進めていったら良いと思う。まず全体を把握して、それから1年かけて細かいところを学んでいけばいい”

今回の「2時間で5000年をみわたす」というのは、まさに「世界史の授業の最初の2、3コマ」にあたります。

まずは、ざっくりとした全体像を。
その「全体像」から、私たちは多くのことを得るでしょう。

世界史について、短時間で全体像を得ることのできる本や授業はまずないので、それをこのセミナーでは行っているわけです。

本セミナーは、今度は男子も参加していただけるかたちで、また西新宿で開催します(日程は未定ですが、遠からず)。

また、お声がけくだされば、あなたの街にもお伺いします(ブログの著者プロフィールに、私そういちのアドレスがあります)。それから、今回は大人向けでしたが、中高生にものみこみやすいように手直しして、親子でも聴けるセミナー、というのもできるでしょう。

みなさまにお会いできることを、楽しみにしています。

(以上)
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2017年11月21日 (火) | Edit |
権力者の汚職や不正には、家族や親しい人のため便宜を図ったものが多いです。

最近では、我が国の首相が友人の学校法人のため、隣国の大統領が姉妹同然の親友のため、不正を行った疑惑が持ち上がりました。「加計学園」のことは、つい最近のニュースでも取りざたされています。

おそらく、権力者が汚職をしないためには、家族も友もいないほうがいいのです。故郷や地元のつながりも、絶つべきです。

数百年前のオスマン帝国では、その考え方をほんとうに実行しました。

オスマン帝国は1500~1600年代に最も繁栄したイスラムの国家です。今のトルコ共和国にあたるアナトリア地方を根拠地として発展し、エジプト、シリア・パレスチナ、イラクなどのアラブ世界の広い範囲を支配した大帝国でした。

オスマン帝国では、キリスト教圏のバルカン半島などから少年を一種の奴隷として強制的に連れてきて、イスラムに改宗させたうえでエリート教育を施し、軍人や官僚として重用したのです。

これらの軍人・官僚たちは、結婚して家族を持つことは原則禁じられていました。故郷との関係も絶たれています。家族や故郷の絆がなければ、私欲を持たず公務に忠実であり続けるはずだ、というわけです。

このような、少年たちを強制的に集める制度を、「デヴシルメ(“強制徴用”の意)」といいました。デヴシルメによって集められた人材は、君主に直属する軍団の中核となりました。「イェニチェリ(“新しい兵隊”の意)」と呼ばれた軍団です。また、高級官僚や宮廷の侍従として重要な役職に就く者もいました。

イェニチェリ軍団は、目論見どおりに見事な働きをして、オスマン帝国の発展を支えました。

しかし、この制度にはやはり無理がありました。人間本来の性質に反するところがあった。

後の時代になると、デヴシルメで集められた軍人や官僚たちは、禁止だったはずの結婚をして家族を持つようになりました。子供に自分の地位を継がせることも行われました。それとともに、イェニチェリは腐敗にまみれていったのです。

今の時代は、デヴシルメのような非人道的なことは、もちろん許されません。ただし現代でも、一部のテロリストは少年たちを誘拐して兵士に仕立てあげたりしています。人間的な絆を絶たれた戦争マシーンの養成。これはきわめて非道な現代のデヴシルメです。

でも、未来には人工知能によるロボット官僚が実現するでしょう。

彼らは汚職とは無縁です。結婚しないのだから不倫もしないでしょう。忖度(そんたく)も苦手です。彼らに任せれば、きっと清潔で信頼できる政治や行政が実現するはず。

なお、ロボット官僚よりも先に、ロボット兵士の軍団は一般的なものになるでしょう。こちらはもう実用化の段階に入ろうとしている。

ロボット官僚を、幼稚なマンガ的空想と笑うことはできないはずです。世界史上におけるオスマン帝国の実例があるからです。

デヴシルメ制度によるイェニチェリ軍団は、当時の近代以前の技術でも可能なやりかたで「ロボット官僚」をつくりだしたのだといえます。人間にとって、とくに権力にとって、「ロボット官僚」は普遍性のある一種の「理想」なのです。

しかし、人間的な絆を一切持たない者に権力を委ねるのは、どうなのでしょうか? ちょっと恐ろしい感じもします。天涯孤独のヒトラーは、汚職をしなかったといいますし……

自分ただ1人のほか、守るべきものが何もないエリートが道を外れた場合、それはもう手がつけられないことになるでしょう。節度や遠慮のない堕落・暴走になってしまうはずです。「世の中の人間と自分とは、もともとなんの関係もないんだから、何をしたって構うものか」という感情が働いてしまうのです。

***

世間のことを、こんなふうに「世界史」のフィルターを通して考えてみるのは、意味があると思います。世界史は、社会のいろいろなことを考える道具になります。

以前にご案内した世界史のセミナー(「女子限定・5000年を2時間でみわたす・大人のための世界史超要約セミナー」)が、11月27日(月)の当日まで1週間を切りました。まだまだお席があります。詳細は前回の記事(すぐ下)でご覧ください。

(以上)
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