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2019年10月22日 (火) | Edit |
今日の即位に関する儀式のなかで、天皇は憲法と皇室典範特例法に基づいてご自身が即位したことをまず述べられた。

平安時代の装束を着た人が「憲法」や「特例法」といった近代的な枠組みのなかで存在している。何ともいえない、不思議や驚きのようなものを感じた。

1000年ほど前の平安時代に主な部分が形成された伝統が、博物館のなかではなくて、今現在の国家の生きたイベントとして姿をあらわしているのだ。

しかし、今の世界のさまざまな国家・社会というのは、みなそうなのだとも思う。つまり、近代的な原理で日常は動いているけれども、古い層の部分を掘り起こすと、近代とは遠く隔たった古い要素が存在している。

たとえば近代に建国されたアメリカ合衆国でさえそうだ。大統領の就任式では、「神よご照覧あれ」という決まり文句が出てくる。神とはキリスト教の神だ。教義の中身はいろいろ変遷をたどったとしても、古代ローマ帝国の時代以来、2000年の歴史を持つ信仰における神。近代的な人工国家アメリカの古い層にも、古代以来の神が存在しているのだ。

長い歴史の積み重なりのうえに、私たちはいる。

とにかくこれは日本だけのことではない。今日の儀式を報道でみた世界の人たちのなかにも、自分たちの古い伝統について思った人がいたはずだ。

ただ日本の儀式は、とくに純度も完成度も高いかたちで「古い伝統」ということを示している。その意味で、世界のなかでやはり特別なものではあると思う。

(以上)
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