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2013年05月12日 (日) | Edit |
今日5月12日は,看護婦ナイチンゲールの誕生日です。そこで彼女の「四百文字の偉人伝」を。

ナイチンゲール

愛だけでは救えない

 クリミア戦争(イギリス・トルコなどとロシアの戦争,1853~1856)で,イギリス軍の野戦病院の看護婦長として活躍したフローレンス・ナイチンゲール(1820~1910 イギリス)。
 彼女が来る前,スクタリ(戦場となったトルコの地名)の野戦病院の管理・運営はガタガタでした。
 このため,病院内では「本来は死なずにすんだはずの患者」が,おおぜい亡くなっていました。彼女は病院の管理体制を立て直して,多くの兵士の命を救ったのでした。
 しかし,もっと大きな仕事は,戦争のあとイギリス本国で取り組んだ,陸軍全体での保健・衛生の改革運動でした。
 改革の基礎データとして,彼女は野戦病院での死亡原因を統計的に分析し,論文を書いています。ナイチンゲールは,そうした統計的研究の先駆者です。
 「管理」とか「統計」とか,ふつうに思う「白衣の天使」のイメージとはちがうと思いませんか?
 「愛だけでは人を救えない」ということを,彼女は知っていたのです。

板倉聖宣,松野修編著『社会の発明発見物語』(仮説社,1998)による。ほかに参考として,長島伸一著『ナイチンゲール』(岩波ジュニア新書,1993),多尾清子著『統計学者としてのナイチンゲール』(医学書院,1991)。

【フローレンス・ナイチンゲール】
専門職としての「看護」の確立者。彼女以前には,看護は一般に専門分野として評価されていなかったが,彼女の実践と,研究・教育の活動がそれを変えた。社会全般の保健・衛生改革にも取り組む。
1820年5月12日生まれ 1910年8月13日没

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「四百文字の偉人伝」は,古今東西のさまざまな偉人を,400文字ほどで紹介するシリーズ。このブログでときどき載せています。(カテゴリー:四百文字の偉人伝
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テーマ:歴史
ジャンル:学問・文化・芸術
コメント
この記事へのコメント
ナイチンゲールの挿絵なかなか味があっていいです。
冷静にものごとを考える人という感じがします。
看護はやはり的確な判断をする職業なのですね。
2013/05/16(Thu) 22:01 | URL  | 前田一幸 #-[ 編集]
Re: タイトルなし
イラスト(ラクガキ)を褒めていただいて,うれしいです。
 彼女の伝記類をそれなりに読みましたので,自分なりの「ナイチンゲールのイメージ」というのがあります。それを少しはあらわしたいと思って描いてます。でも,当然ながら,稚拙な絵しか描けない。それでも,前田さんが言ってくださったような,たとえば「冷静にものごとを考える」といったことが伝わるなら悪くないな,とも思います。このナイチンゲールは,クリミア戦争で活躍したころ(30代なかば)のイメージ。
2013/05/17(Fri) 22:47 | URL  | そういち #-[ 編集]
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