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2013年05月14日 (火) | Edit |
昨日の「団地の本棚」の続きです。(カテゴリー:団地リフォームと住まい

古い団地をリノーベーションして住んでいる我が家は,「本棚」が重要な位置を占めています。その本棚のぜんぶを(そして本棚だけを)撮影して,前回のブログに載せました。

これらは,すべてDIYとオーダーメイドです。既製品はありません。

前回の記事の写真のうち,1.(リビングの壁際)と4.5.(書斎の壁際)の棚は,今のウチに越してくる前から使っていました。数年前に他界した父と私のDIYによるもの。

あとの本棚はすべて,ウチの団地をリノベーションしたときに,つくってもらいました。リノベの設計・施工監理をお願いした建築家の寺林省二さんによるもの。寺林さんは,ウチにあるのと同様の本棚を,ほかでもつくられています。

「父と私のDIY」といいましたが,じつは父は建築士でした。その父が設計して,知り合いの工場に材料をカットしてもらい,製作したのです。パーツの板の数は100を超えます。それをホームセンターで買ったニスで塗装し,日曜大工で組み立てました。週末をまるまる4~5回は費やしたでしょうか。今から十数年前のこと。「DIY」といっても,「プロのDIY」といえるでしょう。

要するにウチの本棚は,2人の建築のプロ(寺林さんと父)によるものなのです。ぜいたくな話です。たしかに私は,本棚には恵まれてきました。

「本棚をつくってくれる人に恵まれ,その人にすがって生きてきた」といってもいいでしょう。

これは,「限られたスペースに対し多めの本を抱えて生きる人」にとって,たいへん重要なことです。そういう人はたいてい,「本をどうすれば,気持ちよく収めることができるだろう」と悩んでいるでしょう。

それを解決する極意は,

「既製品でなく,オーダーメイドの本棚を使う」

ということです。

そしてそれは,「いい本棚をつくってくれる人をみつけて,すがりつく」ということなのです。
                        
***

では,「いい本棚」とは,どういうものか。

ポイントは,その寸法です。寺林さんにいわれて気が付いたのですが,「父の本棚」と「テラバヤシ式本棚」は,基本的な寸法がほぼ同じです。

つまり,「1連」(本棚のタテの板と,となりのタテの板まで)の幅が約60センチ(600ミリ)。本棚の奥行は20~25センチ(200~250ミリ)。板の厚さは16~18ミリ。

寺林さんも父も,このくらいが「見た目のバランスや,使い勝手や,製作コストなどの面で最も良い」といいます。

たとえば,板の厚さがもっと厚いと,スマートさに欠けます。もっと薄くすると,強度不足になります。本の重さで棚板がたわんでしまうのです。

また,「1連」の幅が60センチを超えた場合,板の厚さが16ミリ程度だと,やはり本の重さでたわんでしまう。本も取り出しにくくなります(使ってみるとわかります)。

幅を60センチより小さくした場合,機能的には悪くないですが,本棚全体のタテの板が多くなり,そのぶん材料費や製作の手間がかかります(私の感覚では,細かく仕切られすぎていて,見た目的にも好きではありません)。

それから,奥行き。市販の本棚は奥行30センチか,それ以上が多いです。安定性を気にしてのことでしょう。これだと,奥行きのムダな「余り」が出てしまい,やはりスマートではありません。しかし,奥行20センチ前後だと,スペースの余りが少なく,ほとんどの本(文庫や新書除く)がきれいに収まります。

以上については,寺林さんも父も,ほぼ同じことをいっていました。ふたりは(ちらっと会ったことはありますが),きちんと話をしたことはありません。

つまり,2人の専門家は,本棚の寸法にかんし,それぞれ別個に同じ「解」に達したのです。

幅600ミリ 奥行200ミリ 板の厚さ16ミリ

この数字は,「本棚の寸法」の(ひとつの)「解」というわけです。これに近い寸法・設計方針ならば,きっといい本棚ができるでしょう。

材料はベニヤ板のような,安価なものでいいのです。というか,安価でないと,たくさんのユニットをつくれません。高級な材料でたくさんつくろうとしたら,とんでもなく高価になってしまいます。
 
材料の話は,また今度。

※ところで,このブログで何度か取り上げた,イームズ夫妻についてのドキュメンタリー映画『ふたりのイームズ』が5月11日から日本で公開となりました(渋谷などの東京のかぎられた映画館でのみ,今後ほかの地域でも)。私もチェックしていて,つぎの日曜日あたり,見に行く予定。ウチの家具(机)や建具などを製作された家具工房の真吉さんにも教えていただきました(ありがとうございます)。

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(以上)
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テーマ:建築デザイン
ジャンル:学問・文化・芸術
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