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2013年05月25日 (土) | Edit |
ふたりのイームズ
 
この前の日曜日,「渋谷アップリンク」というミニシアターで,『ふたりのイームズ 建築家チャールズと画家レイ』(監督:ジェイソン・コーン,ビル・ジャージー,2011年)という映画を,カミさんと観てきました。

チャールズ&レイ・イームズ(イームズ夫妻)は,20世紀のアメリカを代表するデザイナーで,映像作家でもあります。彼らについてのドキュメンタリー映画です。関係者へのインタビュー,資料映像,そしてイームズ自身の映像作品などで構成されています。イームズのことは,このブログでも何度かとりあげています。

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この映画は,おそらく「イームズの仕事の幅広い領域を,かなり包括的に紹介した最初の映画」です。

彼らの仕事で最も有名な,イスのデザインや建築だけでなく,生涯で百数十本製作した映像作品や,科学や歴史にかんする展示の製作といった,日本ではあまり知られていない仕事についても,きちんと取りあげています。たくさんの素材を,うまくまとめています。
 
だからこの映画は,「イームズ入門」の,ひとつの定番となるでしょう。イームズファンとしては,こういう映画ができてよかった,と思います。

でも,これだけの映画をつくれる,イームズをわかっている監督なら,もっともっと「入門」に徹してほしかった。チャールズとレイの人間的な部分や,夫婦としての関係や,チャールズに「愛人」がいたなんて話はカットして,「イームズは何をした人か」ということを,もっと紹介して欲しかった。

たとえば,映画のなかで,ある関係者が「チャールズは,たんなるモノのデザインを超えて,概念を表現した」といっていました。たしかにそうだと思います。

では,その「概念」ってどんなものだったのか? そもそもデザインで「概念」を表現するって,どういうこと? こういうことは,彼のつくった映像や展示にもあてはまります。

イームズは,何を考え,何をつくったのか。もしも,このあたりのことに,さらに踏み込めたら,さらによかったのですが……

それは「ないものねだり」でしょうか? 「概念」なんて,映画じゃムリ?

でも,イームズの映画は,それをやっていました。たとえば,イームズ映画の代表作「パワーズ・オブ・テン」は,「宇宙における,極大から極小までのイメージ,その階層性」といった大きな概念を,8分あまりで表現したものです。

今度は,「イームズの仕事」という大きな世界や概念を,さらに伝える映画ができたらいいと思います。つまり,「イームズの映画みたいに,イームズのことを伝える」映画。

たしかにむずかしそうです。やっぱり「ないものねだり」かもしれません。

(以上)
 
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