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2013年06月08日 (土) | Edit |
今日6月8日は,「DNAの二重らせん構造」の提唱者のひとり,フランシス・クリックの誕生日です。そこで,今回はクリックとその共同研究者ワトソンの「四百文字の偉人伝」を。古今東西のさまざな偉人を400文字ほどで紹介するシリーズです。
カテゴリー:四百文字の偉人伝

ワトソンとクリック

模型は謎解きのだいじな道具

 ジェームス・ワトソン(1928~ アメリカ)とフランシス・クリック(1916~2004 イギリス)は,「遺伝情報を伝える物質・DNAの二重らせん構造」の提唱者です。
 その提唱がなされた1950年代には,「DNAがどんな分子構造であるか」は,重要なテーマでした。
 彼らの研究で威力を発揮したのが,「分子模型をつくって考える」という方法です。
 模型は,科学的に計算してつくられてはいますが,おもちゃのブロックのようなもの。最初のうちは段ボールと針金でつくったりもしました。
 それで「どの原子がどの原子の隣に座るのが好きか聞いてみる」というのです。
 模型を前に「どんな原子の配列があり得るか」をあれこれイメージしていった,ということです。
 模型づくりは,少し前にノーベル化学賞をとったポーリングも行っており,彼らはそれを積極的に取り入れたのでした。
 模型づくりは,一見子どもじみていますが,じつは奥の深い作業です。
 発想法として,「模型をつくる=論理や構造をモノの形にする」というやり方は,広く使えるのではないでしょうか。

ワトソン著,江上・中村訳『二重らせん』(講談社文庫,1986),ボールドウィン著・寺門和夫訳『ジェームス・ワトソン DNAのパイオニア』(ニュートンプレス,2000)による。

【ジェームス・ワトソン】
【フランシス・クリック】
共同研究でDNAの二重らせん構造を提唱し(1953年),遺伝子研究の世界を切りひらいた科学者。この業績で1962年にノーベル生理学・医学賞をウィルキンスとともに受賞した(ウィルキンスはX線を使ってDNAの構造解明に貢献)。
ジェームス・ワトソン
1928年4月6日生まれ(現存)
フランシス・クリック
1916年6月8日生まれ  2004年7月28日没

「四百文字の偉人伝」は,古今東西のさまざまな偉人を,400文字ほどで紹介するシリーズ。このブログでときどき載せています。(カテゴリー:四百文字の偉人伝
その101話をまとめた電子書籍『四百文字の偉人伝』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)も発売中です(アマゾンKindleストア楽天Kobo,ディスカヴァー社のホームページにて販売,400円)


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テーマ:自然科学
ジャンル:学問・文化・芸術
コメント
この記事へのコメント
ブロックスは社会の科学の「分子模型」である
最近兵庫の宗さんからブロックスの2010年版を入手し,
授業書《世界の国ぐに》第1部をやった際に生徒たちに見せました。
また,その後いくつかのサークルに参加した際,ブロックスを持参し披露しました。
これは大変好評で,私は「ブロックスと250人の笑顔」という文章を書きました。
さらに,宗さんから教えていただいた活用法をまとめて,
「宗さんのブロックス活用法」を,
続けて「ブロックスは社会の科学の「分子模型」である」を短期間に書きました。
もう「ブロックスに夢中」という感じです。
先週『たの授』公開編集会議にブロックスを持参し,
ぜひ取り上げてくれるように竹内さんにも話したところ,
「どこかでやりたいとは思っている」というようなお話でした。
先日のテストの際,授業への感想を求めたのですが,
生徒たちも大変歓迎しているようで,
授業後ひと月経っているワケなのに,
印象に残っているものの1つに書いてくれました。
「見えないもの」を「模型でイメージできる」ということは,
きっと「見えている」のと同じ状態なのでしょう。
2013/06/08(Sat) 17:28 | URL  | 肥さん #UZMmABYg[ 編集]
 こんにちは。コメントありがとうございます。「ブロックス」を知らない方のために説明すると,底面積がある国の人口(そこにその国の国旗が貼ってある)で,高さがその国1人あたりGDPである直方体のブロックです(体積がGDPになります)。いろんな国についてそのようなものをつくって世界の国ぐにをみわたしていこう,というものです。言葉だけではわかりにくいですが・・・。社会科系の教材として,「楽知ん研究所」という教育関係のNPOのメンバーが開発したものです。
 私も「ブロックス」が生まれ,活用されることにかかわった1人といえるでしょう。以前は,私もこれを使ってのミニ講演など,ずいぶん行ったものです。
 ブロックスはすばらしい教材だと思います。ブロックスのすばらしさをレポートなどのまとまった形で,肥さんは(肥さんは私の友人です)述べておられるのですね。
 私はそのレポートを拝読していませんが,そのような仕事のなかで,私のブロックスに対する貢献は,どんなふうに扱われているんだろうと,コメントをいただいて少しに気になりました。「1人あたりGDP×人口」という視点でトコトン世界をみていくと,「社会の科学入門」になるという考えは,『フラッグス・る?』(楽知ん研究所刊,2004年)などで,少なくとも私の知る範囲では,私が最もまとまった形で打ち出したと思います(それがあって,楽知ん研究所の中からブロックスも生まれたということがあるでしょう)。ブロックスの生まれる基礎となった教材,カードゲーム「フラッグス」は,もともとは「人口」だけでつくられていたのをご存じでしょうか?それに対し,「1人あたりGDPの視点も」と,このゲームの開発者(小出雅之さん)に提案したのは私でした(『フラッグス・る?』120ページ参照)。そういったところにも,よければ目を向けてくださると,私としてはうれしいです。
 以上,楽知ん研究所という団体にかかわりのない方には,よくわからない内容なってしまい,申し訳ありません。まあ,私はそういう団体にかかわって社会科系の読み物等の作成や講演などをしていた時期があったのです。
2013/06/08(Sat) 18:16 | URL  | そういち #-[ 編集]
『フラッグス・る?』とブロックス
『フラッグス・る?』とブロックスとの関係について,
ご紹介いただきありがとうございます。
やはりそういちさんも「開発関係者の1人」ということですね。
そのことも知りたくて長めのコメントを書きました。

残念ながら『フラッグス・る?』については,
授業で活用し切れなくてくやしい思いをしましたので,
ブロックスはぜひ社会科の時間に活用できるようにしたいと思っています。
その際,『フラッグス・る?』とブロックスの開発史なども知ることができるといいなと思いました。
2013/06/09(Sun) 17:04 | URL  | 肥さん #UZMmABYg[ 編集]
 こんにちは。そうですね,『フラッグス・る?』の仕事がなければ,ブロックスがあの時期に楽知ん研究所のメンバーによってつくられるということはなかったのではないかと思っています。その意味で,直接ブロックスの製作を行ったのではありませんが,私はブロックスの開発に貢献をした関係者といえるでしょう。「その人(私,そういち)がその場いなかったら,あのときのあれ(ブロックス)はなかったかも…」という意味で,かなり重要な役割を果たしたと思っています。

 しかし『フラッグス・る?』は,肥さんや私が属する教育関係者の集まりのなかでは,あまり評判にはなりませんでした。肥さんは高く評価してくださいましたが。
 その原因のひとつに,「読み物形式なので,授業に直接使えない」ということがあったと思います。あとは,何かと批判のある「GDP」を全面に打ち出した「経済主義」的なイメージも,先生方の多くにとって抵抗感があったのかもしれません。それでも「1人あたりGDP×人口」という視点の重要性,というコンセプトを打ち出して,それが初心者や子どもに知的な感動を与えうることを,『フラッグス・る?』に触れた人たちは理解したはずです。

 あとは,ブロックスと私のかかわりだと,2008年にブロックス(2000年データ版)を用いた,授業的なプログラムのためのフリップブックの試案をつくったことがあります。

 こういう話題は,このブログの多くの読者の方にはついていけないもので,申し訳ないです。続きがあれば,個人メールで,と思いますが…
2013/06/10(Mon) 07:00 | URL  | そういち #-[ 編集]
Re: タイトルなし
>  しかし『フラッグス・る?』は,肥さんや私が属する教育関係者の集まりのなかでは,あまり評判にはなりませんでした。
>

 ここは少し補足しておきます。
 「あまり評判にならかった」ことの根本にあるのは,やはり『フラッグス・る?』のソフトとしての力不足だとは思っています。「授業に直接使えない」スタイルも,おもなお客さんの最大のニーズに応えきれていないということです。
 また,多くの人のなかにある(そして私が思うに「学校教育」という場ではとくにその傾向が強い)「経済主義」への反感を少しでも変えていくことをこの本はめざしたけど,その点でも「力不足」だったということでしょう。
 それで,いろんな「宿題」が残りました。これからも自分なりに,その「宿題」に取り組んでいくつもりです。まだまだこれからです。
 このブログの多くの読者の方々にわかりにくいことばかり書いて,申し訳ありません……

2013/06/10(Mon) 20:56 | URL  | そういち #-[ 編集]
ブロッグスのバックボーンにあるものは,「経済主義」ということでしょうか。ブロッグスは今の状況をイメージし,今後の変化を推測していくことができますね。
特に気になるのは今後この国はどのような状況になっていくのか,が気になります。社会の流れをとらえ自由な洞察をもちどのようにしていったら良いのか,が知りたいです。
先例がない訳ですから,手探りを続けていくことしかないのかもしれませんが。
戦争を回避し平和の中でできれば経済も安定し,心豊かに生きたいと切に願ってしまいます。
2013/08/26(Mon) 21:52 | URL  | かずゆき #-[ 編集]
 コメントありがとうございます。
 「ブロックス」というのが出てきましたが,これは以前に私が関係したことのある「1人あたりGDP×人口という視点で世界をみるための模型のような教材」のことですね。コメントをくださった記事の「ワトソンとクリック」の偉人伝に,「分子模型」が出てくるのにちなんでのことですね。
 「経済主義」という言葉が,かずゆきさんのなかで何をさすのかややわからないのですが,「経済のことは大事なので,ごく基本的なことは知っておいたほうがいい」と思って,「GDP」関連の話を書いたり,教材に関わったりはしてきました。いくつかの国のGDPがらみの基本データだけでも知っておくと,いろいろ視野がひらけます。
 でもそれだけで未来がはっきり読めてくるとか,そういうわけにはいかないとは思います。だがしかし,まずはごく基本的なことを知っておこう,ということです。
2013/08/28(Wed) 06:13 | URL  | そういち #-[ 編集]
経済の基本的なイメージができていない私としては、分子模型のように具体的なもので考えたいなあとよく思います。
GNPとはなにか,景気とは何か,などなど??だらけです。
そういう意味でもモデルで考えられるというのは経済を学ぶときに力強い味方です。よろしくお願いします。
2013/08/28(Wed) 21:59 | URL  | かずゆき #-[ 編集]
Re: タイトルなし
 「モデル」とか,「図やモノなどの目にみえる形を通して考える」というのは,大事だと思います。
 でも,よい「モデル」,使える「モデル」を見出すのは,かなりむずかしい。中途半端な「モデルらしきもの」を持ち出して,歪んだイメージを描くくらいなら,抽象的な概念で考えたほうがいい,と思うときもあります。
 またおつきあいいただければ幸いです。
 
 
2013/08/29(Thu) 21:23 | URL  | そういち #-[ 編集]
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