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2013年06月30日 (日) | Edit |
住む。表紙

 私は,築30年あまりの古い団地を全面リフォーム(リノベーション)して,カミさんと2人で住んでいます。
 リノベの設計は,建築家の寺林省二さん(テラバヤシ・セッケイ・ジムショ)にお願いしました。

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 つい先日,寺林さんの自邸が雑誌『住む。』(No.46,2013年夏号)で紹介されました(上の写真)。
 「仕事場のある,小さな家。」という特集記事のなかで8ページにわたってとりあげられています。

 寺林さんのお宅には,寺林さんの設計事務所と,奥さんの眞紀さんが営む,暮らしの道具のお店 musubi もあります。
 建坪(敷地)8.5坪,延床面積17坪(2階建て,57㎡)のなかに,生活の場と事務所とお店が同居しているのです。まさに「仕事場のある,小さな家」。

 テラバヤシ邸は,このブログの5月30日の記事でも,以下の写真などでご紹介しました。

 でも,雑誌の写真はやはりきれいです。ぜひ手にとってご覧ください。
 『住む。』は誌面の美しさと,とりあげられている住宅やインテリアなどに惹かれて,ときどき買っています。私が「いいなー,ステキだなー」と感じる住まいが,たくさん載っている雑誌です。

お店と仕事場

居間と店主の仕事場

 5月30日の記事で,テラバヤシ邸にかんし,紹介しきれなかったことがあります。ぜひ語りたかったけど,長くなるのでやめました。

 それは,上の写真の2枚目の,黄色いイスがある,階段下のデスク。
 奥さんの眞紀さんの仕事場です。
 階段下のこじんまりした,でも使い勝手のよさそうなワークスペースに,とっても惹かれました。
 
 アップにすると,こう。

店主の仕事場

 このスペースをみて,私は別の家の,ある写真を思い出しました。

 それは,民族学者・梅棹忠夫(1920~2010)の自宅にある,夫人のワークスペースです。主婦としてのいろんな事務を行うために,やはり階段下にしつらえられたもの。1966年に撮影された写真です(「ウメサオダタオ展」資料『梅棹忠夫 知的先覚者の軌跡』2011年発行 より)。

梅棹夫人の机

 梅棹忠夫は,著書『知的生産の技術』(岩波新書)『情報の家政学』(中公文庫)などを通して,1960年代から「パーソナルな知的生産の技術」「家庭での情報処理」ということを説いてきた人です。

 上の写真の机は,梅棹によれば「わが家のコントロールタワー」だそうです。生活にかかわる情報処理の中心だ,ということでしょう。

 「コントロールタワー」として必要なさまざまな道具もそろっています。

 まず,電話という「情報端末」。それから,ファイリング・キャビネット。キャビネットの上にあるのは電話帳でしょうか。机の上の本棚には,しばしば参照する資料・冊子が置かれています。本棚の下には蛍光灯のランプが取り付けられています。カレンダーもある。すごく機能的にまとめられています。

 こういう構成は,現代と同じ。
 眞紀さんのワークスペースも 同じような道具だてのはずです。
 「情報端末」に,パソコンも加わったというのがちがうくらい。
 50年近く前の,梅棹の先進的な発想に,感心します。

 もっとも眞紀さんの机は,「商売」のための場所で,専業主婦の仕事場とは,ちょっとちがうのかもしれません。でも,この机で家事にかんする事務をすることも,きっとあると思います(ご本人に確認はしてませんが)。

 一家にひとつ,「司令塔(コントロールタワー)」というのか,「家庭の情報センター」というのか,そんなワークスペースがあると,やはりいいと思います。

 階段下とか,ちょっとしたスキマ的なスペースに,小さな机を置いて,必要な道具をしつらえて……

 その生き生きとした「現物」を,テラバヤシ邸でみてきたわけです。

(以上)
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テーマ:建築デザイン
ジャンル:学問・文化・芸術
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