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2013年07月17日 (水) | Edit |
 「自分で考えるための勉強法」シリーズの第34回目。
 
 最近は「読書論」をやっています。
 でもじつは,「読み方」よりも,「本との出会い方」や「選び方・買い方」が,このところのテーマです。

 では本筋から外れているかというと,そんなことはありません。
 「本との出会い方」「買い方」は,じつは読書論の重要なテーマなのです。


本屋で手にした本が,「三年以上前の出版」で
「最近も増刷されている」なら買いだ。


 「本屋さんで手に取った本が,買うに値するかどうか」という見きわめは,むずかしいものです。

 ひとつの目安があります。
 「その本が,三年以上前に出たもので,かつ最近も増刷されているなら,いい本である可能性が高い」ということです。

 買おうかどうか迷っているとき,この条件にかなうなら買うといいでしょう。

 「その本が,いつ初めて出たのか。増刷されているか」については,本のうしろにある「奥付」という欄に書いてあります。奥付からは,いろんなことを読み取ることができます。

 本というのは,すぐに書店の棚から消えていきます。
 書店の棚のスペースは限られています。新しく出た本は並べてはみますが,売れなければ返品です。そして,「品切れ・絶版」となっていきます。新刊書店では手に入らなくなるのです。

 また,本というのはそんなには売れないものです。特別に有名な作家のものは別として,ふつう初版で印刷するのは「何千部」です。その「何千部」を売り切って増刷できるのは,全体からみて少数派です。

 「三年前から本屋に並んでいて,増刷もされている」というのは,本の中では成功したエリートです。

 とくに「三年以上前に出ていて…」というのは,重要な点です。

 それで最近も増刷されているとしたら,単に売れている,ということだけでなく,その本に息の長い需要があることを示しています(「最近」というのは,三年前の本ならここ一年以内くらいでしょうし,十年前の本なら,ここ二~三年でしょう)。
 ということは,それだけしっかりした内容なのではないかと予想されます。
 より古く,より多くの増刷を重ねているほど,その可能性が高いです。

 本のことを知らないと,新しい本に価値があると思いがちです。
 でも多くの場合,「生き残っている古い本」のほうが,たいていの新しい本よりも値打ちがあるのです。
 読書家なら,そのことを知っています。

 こういう「古い本の価値」ということも,最初に知ったのは,板倉聖宣さんの著作やお話からでした。
 板倉さんは,私が「この人のアタマを少しでもマネしたい」と,その著作を読んで学んできた,私にとっての「先生」です。

 このシリーズでは,以前に科学史家である板倉さんの科学論をもとに「科学とは」といったことを,述べています。 関連記事:学問と科学のちがい 
 「科学とは」のような大きなことも,今回のような「本の見極め方」のような具体的なノウハウも,「先生」から学ぶことができるのです。

(以上)
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テーマ:読書メモ
ジャンル:学問・文化・芸術
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