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2013年07月28日 (日) | Edit |
 今日7月28日は,大正から昭和にかけて活躍した実業家・大原孫三郎の誕生日です。

 そこで大原の「四百文字の偉人伝」を。四百文字程度で,古今東西のさまざまな偉人を紹介する」シリーズ。
 2013年1月18日の記事を多少編集し直しての再放送です。

 そのころは,このブログをはじめて数日後。訪れる人も1日に数人という状況でした。だから,読んでおられない方が多いと思いますので,再放送。
  

大原孫三郎(おおはら・まごさぶろう)

すぐれたコレクションは志がちがう

 大正~昭和初期の実業家・大原孫三郎(1880~1943)は,地元の倉敷市(岡山県)で紡績会社などを経営しながら,孤児院,研究所,病院,美術館などさまざまな社会事業を手がけました。
 そんな大原が集めた西洋絵画は,現代でも「日本有数のコレクション」といわれます。彼の依頼でヨーロッパへ渡り,絵を買い付けたのは,大原の親友で洋画家の児島虎次郎でした。
 制約もある予算の中で児島が選んだ作品は,その選択が的確で,のちに評価が高まっていったものばかり。
 絵は,まず地元の学校を借りて公開されました。それが盛況だったので,さらに多くの絵を買い集め,のちに「大原美術館」を建てました(1930年開館)。
 日本初の「本格的な西洋美術のコレクションを有する美術館」です。
 大原は,みんなにみてもらうために絵を買ったのです。現代の企業や金持ちが,値上がり目当てで買った高い絵を,金庫にしまっておくようなのとは志がちがいます。

(参考文献)
山陽新聞社編『夢かける 大原美術館の軌跡』(山陽新聞社,1991)による。ほかに参考として,城山三郎著『わしの眼は十年先が見える』(新潮文庫,1997)


                        *

 以上,大原美術館のことを書きましたが,これは大原の社会事業の一部にすぎません。大原のことを人名事典ふうにまとめると,こうです (写真は『大原孫三郎傳』より)。

大原孫三郎

【大原孫三郎】
 大正~昭和初期の実業家・社会事業家。若くして父が経営する倉敷紡績を継ぎ,おおいに発展させた。若いときに「岡山孤児院」の創設者・石井十次と出会って影響を受け,社会事業にも力を注ぐ。私財を投じ大原社会問題研究所(労働問題等を研究,1919年設立),倉敷中央病院(1923年),大原美術館(1930年)などを創設した。倉敷紡績の労働条件改善にも取り組む。いずれの仕事も当時画期的なものであった。
1880年(明治13)7月28日生まれ  1943年(昭和18)1月18日没


 このように多方面の活動をしています。
 大原は,近代日本におけるNPO活動の最高峰のような人です。
 
 「NPOによって新しい公のサービスを作り出すこと」は,社会の重要テーマになっています。
 大原孫三郎は,これからますます注目・評価されるようになるでしょう。

 2012年12月には,兼田麗子著『大原孫三郎―善意と戦略の経営者』(中公新書)という本が出ました。

 
大原孫三郎―善意と戦略の経営者 (中公新書)大原孫三郎―善意と戦略の経営者 (中公新書)
(2012/12/18)
兼田 麗子

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 じつはこれまで,大原については,「多くの人が手軽に読めるまとまった伝記」がありませんでした。
 城山三郎『わしの眼は十年先がみえる』(新潮文庫)という,大原の生涯を描いた小説があるくらい。大原に縁のあった人たちでつくった『大原孫三郎傳』(昭和58年)という基本文献もありますが,手軽に買えないし,読みやすい本とはいえません。
 
 兼田さんには『大原孫三郎の社会文化貢献』(成文堂,2009年)という著作もありますが,こうして新書というかたちで,まとまった大原伝が出たわけです。

                        *

「四百文字の偉人伝」は,古今東西のさまざまな偉人を,400文字ほどで紹介するシリーズ。このブログでときどき載せています。(カテゴリー:四百文字の偉人伝
 その101話をまとめた電子書籍『四百文字の偉人伝』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)も発売中です(アマゾンKindleストア楽天Kobo,ディスカヴァー社のホームページなどにて販売,400円)

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(2013/02/04)
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(以上)
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テーマ:歴史
ジャンル:学問・文化・芸術
コメント
この記事へのコメント
感銘を受けた人物の1人です
そういちさん、おはようございます。

実は私、倉敷に4年ほど住んでいた時期がありました。
その前から大原美術館の名前は存じておりましたが、
倉敷在住の間に大原美術館に何回も行っているうちに、
大原孫三郎・児島虎次郎の両名に深く感銘を受けました。

本来はこの2人がセットで語られるべき部分も多いです。
ただ、この2人を書いている書物が本当に少なくて・・・
倉敷在住時代、納得のいくものを見つけることは叶いませんでした。
(『大原孫三郎傳』は拝見したことはありますが、じっくり研究するには
向かない書き方をしている、という印象しかありません)

今回の記事で紹介された本は存じ上げませんでした。
早速今日、出かけ先で探し、発見したら購入して読んでみます。
国内外を問わず、この時代だからこそ
語り継いでいかなければいけない人物だと思っています。
2013/07/28(Sun) 09:45 | URL  | たきやん。 #2HkoM2sc[ 編集]
Re: 感銘を受けた人物の1人です
 たきやん。さん,コメントありがとうございます。
 倉敷にお住まいだったことがあるのですね。
 私は,倉敷には3回ほど行ったことがあります。はじめて行ったのは10年ほど前。大原孫三郎に興味を持ち,大原美術館や倉敷中央病院など,関係の場所をみてまわりました。楽しい旅でした。あとは,いろんなご縁があって,2度ほど行く機会があったのでした…
 大原美術館は,やはりすばらしいですね。あれが倉敷という,決して大きくはない地方都市にあるのは,すごいことです。
 兼田さんの『大原孫三郎』を買われるとのこと。自分のブログの記事の影響で本が1冊売れるなんて,うれしいことです。
2013/07/28(Sun) 19:24 | URL  | そういち #-[ 編集]
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