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2013年08月04日 (日) | Edit |
 その人の誕生日や命日にちなんだわけではありませんが,新作の「四百文字の偉人伝」を。
 手塚治虫,藤子・F・不二雄,石ノ森章太郎,赤塚不二夫といった,マンガの巨匠について。

 あえていえば,おとといの8月2日は,赤塚の命日でした。

 先日「ゴロウデラックス」(TBS系)という深夜番組をみました。SMAPの稲垣吾郎さんがメイン司会で,作家や文化人をゲストに呼び,その著書を紹介する番組です。その日は直木賞を戦後最年少で受賞した作家・朝井リョウさんが出ていました。

 そのなかで,朝井さんが 「SMAPは,1989年生まれの自分からみれば,電気・水道・ガスみたいなインフラのようなものだ」ということを言っていました。
 「物心ついたときから,テレビに出ているのをたくさんみてきたので,あたりまえのような存在だ」ということでしょう(SMAPは1988年結成。ウチのカミさんは大ファンです)。
 タレント・文化人を「インフラ」というのは,おもしろい表現だと思いました。

 それを聞いて, 「自分にとってそのような意味でのインフラって,何(誰)だろう?」と考えました。

 思い浮かんだのは,手塚治虫のような,昭和のマンガの巨匠たち。

 私が子どもだった1970年代に,すでに彼らはマンガ界の重鎮で,しかもバリバリの最前線で活躍していました。リアルタイムで,つぎつぎと生まれてくる新作が読めたのです。
 それはマンガ好きの少年にとって,あたりまえの「インフラ」みたいなものでした。

 しかし,時は流れました。巨匠たちも,多くは亡くなった。ちばてつや先生や,藤子不二雄A先生や,水木しげる先生など,かぎられた人が今もおられるくらい。ただし,第一線からはすでに退いている。

 でも,巨匠たちが残した作品が「インフラ」として残っている,といえるのでしょう。

                       *

手塚治虫ほか,マンガの巨匠

命を縮めるほど,精一杯だった

 画家や作家には,長寿の人のたくさんいます。でも,マンガの基礎をつくった巨匠には,長生きしなかった人が目立ちます。
 亡くなった歳は,手塚治虫,60歳。藤子・F・不二雄,62歳。石ノ森章太郎,60歳。赤塚不二夫,66歳で病に倒れ,6年間の入院の末,死去。
 彼らは,20歳ころから,締切りに追われながら睡眠や食事の時間を切り詰め,ひたすらアイデアを練って描くという生活を何十年も続けました。
 たとえば,NHKのドキュメンタリー(1986年放送)の中で,50歳代の手塚は,店屋物のチャーハンを夜食に,徹夜で机に向かっていました。タクシーのなかでも原稿を描いていました。
 こういう生活が命を縮めたのです。
 また,赤塚のように,中年期からはストレスで酒におぼれてしまったケースもあります。
 彼らほどハードな仕事を長年続けたクリエイターは,ほかの分野ではまずみあたりません。それだけマンガの発展期のエネルギーはすごかった,ということです。

参考:石ノ森章太郎『トキワ荘の青春』(講談社文庫,1986),藤子不二雄(藤子不二雄A)著『二人で少年漫画ばかり描いてきた』(文春文庫,1980)

【手塚治虫】
1928年11月3日生まれ~1989年2月9日没
【藤子・F・不二雄】
1933年12月1日生まれ~1996年1月23日没
【石ノ森章太郎】
1938年1月25日生まれ~1998年1月28日没
【赤塚不二夫】
1935年9月14日生まれ~2008年8月2日没

 現代マンガ(=ストーリーマンガ)開拓者である手塚治虫と,その影響を受け,マンガの発展に大きく貢献した作家たち。藤子,石ノ森,赤塚は新人時代の1950年代に「トキワ荘」というアパートに集まって住み,刺激を受けあっている。

                         *

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