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2013年10月04日 (金) | Edit |
 10月5日は,ビートルズのデビュー曲「ラヴ・ミー・ドゥー」が発売された日です。1962年のこと。
 そこで今回はビートルズの「四百文字の偉人伝」を2本立てで。古今東西のさまざまな偉人を400文字程度で紹介するシリーズ。

 ***

 ビートルズのファンやマニアの方は大勢いて,その筋のブログも数多くあります。
 そういう専門的な視点からすると,以下の「四百文字」の話はいかにも「浅い」かもしれません。

 でも,この「四百文字の偉人伝」の話は,どれもそうです。

 つまり,いろんなジャンルの人物をとりあげていますが,「その筋の人」からみれば「そんなの常識」みたいな話ばかり。
 でも,その人物や,関わる世界をよく知らない人からみれば,新鮮な話だったりするのです。
 
 そんな話に触れて「未知の世界を少しだけ垣間見た感じ」になってくれればいいな,と思っています。

 「四百文字の偉人伝」は,すでに100余りの話を書いています。それをまとめたものが,ディスカヴァー・トゥウエンティワンという出版社から,電子書籍ですが商業出版されてもいます(今回の記事の末尾参照)。

 もしよかったら,その「100話」をまとめて読んでみてください。
 
 「100話」の短い偉人伝は,いわば「人類の文化遺産のいろいろな領域につながるドア」だと思っています。 つまり,それぞれの偉人が関わるさまざまな世界・分野への興味のキッカケになれば,ということです。科学,哲学,発明,探検,美術,音楽,政治経済,企業経営,社会事業などのさまざまな領域……

 そして,そんな「さまざまな世界」を垣間見ることを100回もくり返すと,みえてくるものがあります。

 「この世にはいろいろなすばらしいもの,意義のある仕事,知るに値することがある」という,視野がひらける感覚です。

 これは,私自身が「四百文字の偉人伝」の100話余りを書いてきて,味わった感覚。
 それは,「100回」という「量」の積み重ねによって,はじめて生まれてくるのだと思います。そして,1回が「400文字」だから,気軽に100回くり返せる。

 まえおきが長くなりました。
 以下のビートルズの話も,そんな100余りの「ドア」のひとつのつもりです。


ビートルズ

修行時代の終わり

 ビートルズは,本格デビュー前の1960~1962年に,ドイツのハンブルクに何度か行っています。
 長いときは数ヶ月にわたる巡業。クラブのステージで1時間ほどの演奏を,多いときは1日5~6回(かそれ以上)。のべ何百回にもおよぶステージ。
 この圧倒的な量のつみ重ねで,彼らの音楽は筋金入りになりました。
 その過程で,メンバーの1人は「別の仕事をしたい」と脱退しました。
 デビュー直前にはもう1人,ドラム担当のメンバーが「腕がイマイチ」とされて,リンゴ・スターと替えられてしまいました。それも,青春ドラマなどにありがちな「オトナたち(プロデューサーなど)の差しがね」ではなく,メンバーのジョンやポール自身が積極的に動いた結果です。
 非情なことですが,このときのジョンたちには「いい音楽をつくる」ことがとにかく重要だったのです。
 多くのつみ重ねの結果,彼らにはふつうの人にはみえないものがみえるようになっていました。
 このときが,ビートルズの「修行時代」の終わりでした。

グラッドウェル著・勝間和代訳『天才!成功する人びとの法則』(講談社,2009)に教わった。このほか,和久井光司著『ビートルズ』(講談社,2000)による。


ビートルズの大失敗

 ビートルズ(活動1962~1970)の楽曲二百数十曲のほとんどは,メンバーのジョン・レノン(1940~1980)とポール・マッカートニー(1942~)による作詞・作曲です。
 しかし,その楽曲の権利はジョンやポールのものではありません。彼らに一定の印税は入りますが,作品の出版や使用についての決定権は持っていません。その意味で「自分のもの」ではないのです。
 じつは,彼らはデビューしてまもなく,自分たちの楽曲の権利を契約会社に譲り渡すことになる書面にサインしていました。
 無理もないことですが,知的所有権やそれに関わるビジネスのしくみについて,彼らはまったくの無知だったのです。
 その後,権利は何人かの手を渡り,一時期は歌手のマイケル・ジャクソンがおもな所有者でした。
 自分のアイデアや創造は,くれぐれも大切に扱いましょう。

コールマン著・中川聖訳『ポール・マッカートニーと『イエスタデイ』の真実』(シンコー・ミュージック,1996)による。田中靖浩著『経営がみえる会計』(日本経済新聞社,1999)に教わった。

【ビートルズ】
20世紀の新しい音楽を集大成し,ファッション,アートなどの文化全般や,若者のライフスタイルにまで影響を与えた4人組のグループ。1962年イギリスでデビュー。64年以降世界的人気に。70年解散。

1962年10月5日 デビューシングル発売 1970年4月(ポールの脱退宣言により)解散

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 余談ですが,ポール・マッカートニー(現在71歳)という人は,現存する「20世紀の偉人・文化人」のなかで一番の大物かもしれません。

 今生きている人で「20世紀に,ビートルズのポール・マッカートニーに匹敵する活躍をした文化人」って思い浮かびますか? 音楽だけの話ではなく,芸術・文化の全ジャンルをみわたして,です(くりかえしますが,「今生きている人」で)。
 私はとくにビートルズファンではなく,ひいき目はないつもりですが,どうも思いあたりません。

 「もっと素晴らしい仕事をした人はいる」という意見はあるかもしれません。でも,ビートルズほどメジャーではないはずです。
 あるいは,同じくらいか,もっと「メジャー」といえる20世紀の文化人もいるのでしょう。
 ピカソとかアインシュタインなんて,そうかもしれない。スティーブ・ジョブズを「文化人」とみなせば(21世紀にも活躍したけど)そうだったかも……でも,みんな死んでしまいました(ジョン・レノンも死んでしまったわけですし)。

 というわけで,私はポール・マッカートニーを「現存する・世界最大の文化人」と認定しています(^^;)
 「20世紀の生き残りのうち,最大の人物」といってもいいかも。

 ご本人には,たぶんその自覚はないでしょうが。

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 「四百文字の偉人伝」は,古今東西のさまざまな偉人を,400文字ほどで紹介するシリーズ。このブログでときどき載せています。(カテゴリー:四百文字の偉人伝
 その101話をまとめた電子書籍『四百文字の偉人伝』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)も発売中です(アマゾンKindleストア楽天Kobo,ディスカヴァー社のホームページなどにて販売,400円)
                     
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(以上)
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テーマ:歴史
ジャンル:学問・文化・芸術
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