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2014年03月30日 (日) | Edit |
 私は「情報カード」というものを愛用しています。
 20代のころからもう20数年使っていますが,現在の使い方や保存の「システム」に落ち着いたのは,この6~7年です。中断していた時期もありました。

 メモするための,少し厚手の紙片。いくつかのメーカーからさまざまなサイズや仕様のものが出ています。
 私が使っているのは,LIFE社製の「情報カード5×3無地」というもの(100枚で300円ほど)。

 「5×3」というのは,5インチ×3インチ,つまり75ミリ×125ミリサイズということ。情報カードは罫線入りが多いですが,私は無地。真っ白なカードです。昔は,このサイズのカードは図書館の検索カードに使われていました。

 それを,こんなふうに手帳に10数枚ほどはさんで持ち歩いています。
 5×3のカードは,一般的なサイズの手帳にちょうど収まるのです。手のひらにもちょうどいい。

手帖に情報カードをはさむ

 手帳は肌身離さず持ち歩いているので,情報カードも肌身離さず持ち歩いていることになります。

 「そんな化石のようなものを今さら使っているのか」と言われてしまいそうです。
 たしかに,情報カードなんて,「昭和の遺物」みたいなものですね。
 最近では文具屋さんでも置いてないことが多い。大きな店か,ちょっと古い感じのお店にしかない。

 でも,これはなかなか使い勝手がいいです。

 思いついたことを書いて,必要ならとっておいて,要らないなら捨ててしまう。
 肌身離さず持っていれば,歩いているときでも電車のなかでも書くことができる。
 情報端末みたいに「起動」しなくてもいい。
 「紙切れ」ですから,ノートや手帳よりも軽くて薄い。シャツのポケットに入れておくこともできます。

 これは私が書いたもの。
 情報カード

 これらはみんな,このブログの記事などの「アウトプット」につながっています。

 たとえば左上のカードは,このブログのタイトル「団地の書斎から」を思いついたときのもの。

 右上は,このブログの記事にもなった「となり・となりの世界史」というシリーズの一節の素になっています。
 左下は,「団地の間取りの概念図」なのですが,これもこのブログの記事につながっています。

 右下は,去年末につくった「そういちカレンダー」というオリジナルの印刷物の構成案。電車のなかで書いたから乱雑です。小さな文字は,私の特技というか,体質です。

 書いたカードは,つぎのような専用のカードボックスに入れておきます。
 (手前の木製のものはコレクト社製5×3サイズカード用。お値段は二千数百円と安くないですが,木の感触や簡素な外見は悪くないです)
 
 情報カードをカードボックスで整理するための「インデックスカード」というのもあって,それでざっくりと項目別に仕切って入れてあります。たとえば「世界史」「偉人伝」「経済」「名言」「日々のこと」「住まい」といった項目。各項目ごとに新しいカードが手前にくるように並べる。
 
 5×3情報カードのカードボックス

 ***

 さて,このようなカードを,なんのために書いているのか。
 すべては「アウトプット」のためです。
 文章を書くなど,人に何かを伝えるためのネタ帳として,書いているのです。


 だから,カードに書いたことは,いつか「料理」して人前に出したいと思っています。つまり,「カードのメモ」から一定のまとまった文章にして人に読んでもらいたいと思っている。カードに書いたネタは,料理の「素材」みたいなもの。

 カードに書いてから,すぐに「料理」する場合もありますが,たいていは「料理」までかなり時間がかかってしまいます。そこで,カードボックスで保存しておくわけです。

 私は今,数個のカードボックスを持っていて,そこに1千数百枚の書かれたカードが入っているでしょうか。
 もっと本格的に情報やメモを蓄積している人からみれば,じつにささやかな量です。

 でも,私にとってはカードボックスは,だいじな貯蔵庫です。
 自分の考えたことの貯蔵庫。

 ときどき,このカードボックスの特定の項目のカードを全部引っ張り出して読み返しています。
 すると,自分で書いたものなのに,いろんな発見があります。
 「ああ,このことはまだまとめてなかったな」と気が付いて,文章を書きはじめることもあります。
 「あのときの自分は,ここまで考えたのか」と感心することもある。
 
 自分で考えたことというのは,案外忘れてしまうものです。

 だからこそ,メモをする意義があります。
 そして,それを保存・活用する自分なりの仕組みや道具,つまり「システム」が必要なのです。


 20代のころに私に「考えたことをメモする大切さ」を教えてくれた大先輩がいました。私より二まわり年上のビジネスマンで,ご自身の専門分野で著作を何冊も出している方でした。その人は,オリジナルの手のひらサイズの紙切れをつくり,その束を持ち歩いて,何か思いつくと紙切れに書いていました。

 その人が言っていました。

 「生きているというのは,何かを考えているということだ。考えたことをメモするのは,命の記録みたいなもんだ」

 「考えたことのメモ」というのは,生きている時間の密度を濃くしてくれます――つまり人生を豊かにしてくれるのです。それを若い私に教えてくださったことを,今も感謝しています。

 ***

 「メモやその保存のシステム」は,別にカードでなくてもいいのです。人によってはノートや手帳のほうがずっと使いやすいかもしれません。カードを使うにしても,もちろん5×3でなくてもいい。

 私の場合は,カードは使いやすいです。
 それは,いろいろなことに興味があって,さらに「何かを考えてから,それを料理して作品化するまで時間がかかる」からです(これは,関心が散漫で,発表の場もないくせに,大風呂敷なまとまりにくいことばかり考えていて,そのくせ怠けがちである,ということかもしれませんが)。

 逆に言うと,「ひとつのテーマを集中して追いかけている」あるいは「メモしてから作品化するまでのサイクルが短い」場合には,ノート・手帳のほうが使いやすいかもしれません。

 私の場合,長期間にわたって,あるときは「世界史」について,あるときは「住まい」についてメモをつくり,その都度カードボックスに放り込んでおく。1年2年経つと,ある程度カードがたまってきて,それを読み返す……そうやってまとまった文章を書けたこともあります。

 ただ私も,手帳を多少は使っています。「モレスキン」という1冊千何百円もするちょっといい手帳に,読書のなかで「いいな,味わいたいな」と思える箇所を抜き書きしているのです。こんなふうに,です。

 モレスキンへのメモ

 いい文章や感動的な文章というのは,書き写すと,一層味わえるのです。そして,ときどき読み返してさらに味わいたい。読み返すには,カードよりも手帳がいいです。それも,できればちょっといい手帳が。でももちろん,安価なノートでもいいのです。

 しかし,このような手帳に書く「抜き書き」の分量は,カードに書く量の何十分の1です。
 私の「メモ」の中心は,やはり情報カードです。

 ***

 今回の記事は,「メモのすすめ」です。
 それも,スケジュールや日々の活動のための「業務的」なメモではなく,中長期的なアウトプットのためのメモ。
 
 そのための道具としての「情報カード」を紹介したわけですが,もちろんノートや手帳を使ってもいい。
 自分にあった道具でシステムをつくっていけばいいのです。

 ただ,そのときに,くれぐれも注意していただきたいことがあります。

 それは,「何をメモするか」ということについてです。これをまちがえないことです。

 ここでテーマにしている「メモ」に書くのは,あくまで「自分で考えたこと」です。自分の思いつきや感じたことなどを,自分の言葉で書く。本や記事からの抜き書きではありません。

 多少はそういう「抜き書き」をしてもいいと思います(私もやっています)。
 でも,それはここで言う「メモ」の中心ではありません。

 ここは,カードなりノートなりで「アウトプットのための情報整理」を志す人が,よくまちがえることです。
 かなりの人が「抜き書き」をしようとしてしまう。
 
 本の抜き書きというのは,時間の無駄です。
 抜き書きをしなくても,あとで必要なら,その本をみればいいのです。

 もしも,何かの本に書いてあることをメモしたいなら,「ざっくりとこんなことがこんな本に書いてあって,こう面白かった,こう考えた」ということを,自分の言葉で書いておけばいいのです。

 ただしこれは「読む本は,原則として買った本」という人の場合です(私はそうです)。
 「本はたいてい図書館などで借りる」という人の場合,「抜き書き」「コピーによる抜粋」の技術やシステムも必要になるでしょうが,それはまた別の話。

 「本からの抜き書き」などという,骨の折れる,しかも役に立たないことを「メモ」の中心に据えたりすると,メモすることが,つらく虚しいものになります。だから,続きません。私もそういう失敗をしたことがあります。

 くれぐれも,メモするのは「自分の考え」です。
 そのことに気がついてから,私は情報カードを使えるようになりました。

 以上,「メモのすすめ」でした。いつか,情報カードなどの「メモのシステム」についての先人の取り組みや,私個人の試行錯誤の歩みなどについても述べたいと思いますが,今回はこれで。

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(以上)
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