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2014年05月07日 (水) | Edit |
 ゴールデンウィークも終わりました。私は4日から2泊3日で妻の郷里へ行き,昨夜帰ってきました。
 今回は,仕事開始にちょうどいい「名言」かもしれません。
 
【今月の名言】(そういちカレンダー2014より)

ウィンストン・チャーチル(第二次世界大戦時の英国の首相,1874~1965)

われわれの仕事を行うには,
大量の書類を読む必要がある。
だが,ほとんどの書類が長すぎる。


 何かの計画にせよ報告にせよ,ほとんどのことは書類1枚程度で伝えられる。
 できないなら,考え・内容が混乱しているのだ。その仕事を見直す必要あるのでは?

 書類の山

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 この言葉は,木下是雄『理科系の作文技術』(中公新書)で知りました。おすすめの名著です。

理科系の作文技術 (中公新書 (624))理科系の作文技術 (中公新書 (624))
(1981/01)
木下 是雄

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 同書の冒頭にこの言葉が引用され,出典(英書)も示されています。私が持っている2,3冊のチャーチル伝には,この言葉はみあたらなかった。

 この言葉は,1940年に首相に就任したチャーチルが,政府の各部局に送ったメモからのもの。
 1940年というのは,英国がナチス・ドイツの脅威に直面していたとき。ひとつ間違えば,英国はドイツに征服されかねない状況でした。そのような「危機の時代」に首相となったのが,チャーチルでした。

 メモには,「文書の書き方に」について,具体的なつぎの指示があります。

《1.報告書は,要点をそれぞれ短い,歯切れのいいパラグラフにまとめて書け。

2.複雑な要因の分析にもとづく報告や,統計にもとづく報告では,要因の分析や統計は付録とせよ。

3.正式の報告書でなく見出しだけを並べたメモを用意し,必要に応じて口頭でおぎなったほうがいい場合が多い。

4.次のような言い方はやめよう。:「次の諸点を心に留めておくことも重要である」,「……を実行する可能性も考慮すべきである」(以下略)》


 **

 1930年代末,ヒトラーのナチス・ドイツは,つぎつぎと周辺諸国を軍事力で制圧していきました。

 そのようなナチスに対し,英国の政府は,当初は強硬な対応はとりませんでした。「ある程度好きにさせれば,ヒトラーも満足しておとなしくなるだろう」という見通しのもと,「ヒトラーとの妥協点をさぐるほうが,平和的で得策だ」という意見が有力だったのです。

 これに対し,「ヒトラーは極めて危険だ,徹底抗戦すべきだ」と主張したのが,チャーチルでした。
 「ヒトラーの危険性」が明らかになる中で,チャーチルは首相となりました。そして,強烈な意思とリーダーシップで,ナチスとの戦争を指導しました。

 上記の「文書を短く」と指示するチャーチルのメモは,当時の「緊張感」が背景にあるのでしょう。

 チャーチルほどの重たい危機感や緊張感は,私たちには縁遠いとは思います。
 でも,書類ひとつにしても,ピシッと引き締まったものを出していきたいですね。

(以上)
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