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2013年03月01日 (金) | Edit |
 「GDPでみる経済入門」のつづきです。

 前回(2月27日)私は,「がんばれGDP」といいました。
 これは,「GDPの拡大がすべてだ」などといいたいのではありません。
 「GDPという,経済をはかるモノサシの有用性」をいいたいのです。GDPそのものだけでなく,それにかかわる概念がいろいろあるので,それも含めた有用性。

 「GDP」というメガネをとおして,私たちはさまざまなことを認識できます。
 
 「経済至上主義」「金もうけ主義」への反感から,GDPというものを軽視することが,世の中にはあるようです。でも,それはあまりにもったいないです。


1人あたりGDP×人口=経済

1人あたりGDP
 GDPは,「国全体の,みんなの買い物額」です。これを国の人口で割った「1人あたりGDP」という数値があります。これも,社会や経済を知るうえで重要な数字です。
 買い物の額というのは,実際には人によってまちまちですが,平均値を求めたのが,1人あたりGDPです。
 2012年の日本の「1人あたりGDP」を計算してみます。

GDP480 兆円÷1億3千万人=およそ370万円/人
(475兆7000億円) (1億2800万人) (372万円/人) 

 「372万円」というのは,「370万円」とおぼえましょう。もっとドンブリで「300何十万円」でもいいです。
 この計算結果も,「最重要の数字」のリストに加えます。

日本経済についての最重要の数字

・日本の人口 1億3千万人
・日本のGDP 480兆円
・日本の1人あたりGDP 370万円/人
 

 1人あたりGDPは「その国の経済発展の度合い」を測るモノサシとして,使われています。
 これに対しGDPは,「その国の経済の大きさ」を示す数値です。

 日本の1人あたりGDPが「370万円」というのは,世界のなかで上位のほうに位置します。たとえば,つぎのような世界のおもな先進国の1人あたりGDPと肩を並べる水準です。アメリカ420万円,ドイツ380万円,フランス390万円,イギリス330万円……
 これらの先進国にくらべ,たとえば中国の1人あたりGDPは35万円で,お隣の韓国は160万円です(以上,2009年の数字)。

 このように日本の1人あたりGDPは世界の中で高いほうです。とはいえ,一昔前より「順位が下がった」といわれるし,事実そうなのですが,その辺のことはまたいずれ。
 また,世界には1人あたりGDPが「2~3万円」という国もあります。アフリカやアジアで「最も貧しい」と言われる国は,その水準です。

数字の背後に,暮らしや社会がある
 「1人あたりGDPが大きい」ということは,その国では多くの人が活発な経済活動をしているということです。たくさんの高価な買い物をしたり,いろんな場所へ仕事や旅行で出かけたりする人が大勢いるのです。

 そしてそれは,そんな「人びとの活発な活動」を支えるさまざまな社会のしくみや設備が整っているということでもあります。
 無数の立派な工場やオフィス。
 国のすみずみまでいきわたった交通・通信網。
 いろいろ不満や問題はあるにせよ,まあまあまともに機能する政府と行政機関。
 さまざまなモノやサービスが並ぶショッピングセンターや繁華街。家庭にはモノがあふれている……
 そして,それだけの設備やモノを作り出せるだけの発達した産業があります。

 このような国が,一般に「先進国」といわれるのです。日本はそのひとつです。

 一方,1人あたりGDPがごく小さい国では,多くの人びとは,高価な買い物をすることも,自分の住む村や町を出ることも,あまりありません。人びとが活発に動きながら暮らすためのしくみや設備も不十分です。家財道具も,つつましい。
 このような国は,「発展途上国」といわれます。

 このように,「1人あたりGDP」という数字の背後には,その国の暮らしや,社会全体のあり方が存在しているのです。

1人あたりGDP×人口
 さきほど,「GDP÷人口=1人あたりGDP」である,と述べました。ここからちょっと踏みこんで,つぎのような式で,国の経済をイメージしてみましょう。

 1人あたりGDP × 人口 = GDP(その国の経済)

 日本の1人あたりGDPは370万円。人口は1.3億人。

 これを,こう考えるのです。

 「年間に1人あたり平均で370万円ほどの買い物をする国民が,1.3億人集まって,日本経済ができている」

 それだけの活発な経済活動をして暮らす人たちが1.3億人集まっている,ということです。その結果,GDPで400何十兆円という経済になっている。

 結局のところ,「1人あたりGDP×人口=GDP」という式は,「1人1人の暮らしが集まって,その国の経済ができている」といっているのです。

 1人1人の暮らしが集まって経済はできている。

 これは,すべての基本となる,だいじなイメージです。「経済なんて,むずかしく考えなくても,要するにそういうものなんだ」と思ってもらってもいいです。
 そのイメージを式であらわすと,「1人あたりGDP×人口=GDP」となるわけです。

(以上)
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