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2014年10月10日 (金) | Edit |
 西暦2000年の時点で,日本のGDPは世界全体の15%を占めていました。これは,アメリカ(世界のGDPの31%)に次いで,世界2位。

 そしてこの「15%」のシェアは,3位のドイツ(6%),4位のイギリス(5%),5位のフランス(4%)の3国を合わせたのと,ちょうど同じです。経済規模でみて,ドイツ+イギリス+フランス=日本だったのです。
 
 最近(2011年)はどうか。

 1位アメリカ(世界のGDPの21%)
 2位中国(10%)
 3位日本(8%)
 4位ドイツ(5%)
 5位フランス(4%)

 日本が世界に占めるシェアは「15%」のほぼ半分になりました。
 そして,中国に抜かれ世界第3位に。

 これは,この20年ほど日本の経済成長がほかの国にくらべて停滞していたからです。

 1980年代から90年ころにかけて,日本の勢いにはめざましいものがありました。
 それが,上記の「2000年ころの日本が世界に占めるシェア」にあらわれています。90年代の日本は,世界のなかで「単独2位」で,たんなる「大国」以上の「超大国」的なポジションにあったのです。少なくとも「超大国」に近づきつつあった,といえるでしょう。 

 ここで「超大国」というのは,経済はもちろん大事ですが,文化や科学の力なども含めた,総合的なパワーで世界に大きな影響をあたえる存在ということです。20世紀以降のアメリカは,まさにそういう国です。

 しかし残念ながら,日本はそのような「超大国」にはなれませんでした。
 1990年前後の時代の,超大国になる,おそらく唯一のチャンスを逃した,といっていいでしょう。

 もちろん,「超大国」ではありませんが,今の日本も「大国」であることには変わりありません。
 
 たとえば,ついこのあいだ,3人の日本人科学者のノーベル賞受賞のニュースがありました。日経新聞をみると,これまでの日本人のノーベル賞受賞歴をふりかえって「日本人,2000年から受賞ラッシュ」などともあります。これは,文化・科学も含めた,現在の「大国・日本」の力を示しているといえるでしょう。
 
 しかし,ノーベル賞というのは,かなり過去に行われた研究に対し授与されることがほとんどです。今回の物理学賞の対象となった研究も,80年代から90年ころの成果です。つまり,日本が「超大国」になりかけていたころのもの。
 今後もこの10年ほどのような「受賞ラッシュ」が続くかどうか。そこは,要注意なのかもしれません。

 つまり,西暦2000年代以降の,やや勢いをなくした日本において,科学・技術の研究がどんな状態になっていたのか,ということです。それについては,私はよくわかりません。これから10年,20年のうちにたとえばノーベル賞の受賞の状況などで,伺い知ることもできるでしょう。

 私たちの国は,とにかく「大国」にはなった。
 でも,「その先」へは行けなかった。20~30年前の千載一遇のチャンスを逃した。

 何がいけなかったのか,足りなかったのかということは,ここでは立ち入りません。
 そのへんはまだ,私たちのあいだではよくわかっていないのだと思います。わかっていたら「超大国」になっていたことでしょう。

 ***

 さて,世界には「その先」へ行けないで,足踏みしている国がほかにもあります。
 たとえば中国です。

 中国は,まちがいなく「大国」となり,アメリカと並ぶ「超大国」を伺うようになりました。
 しかし,どうも偏狭な自己主張や,文化的・政治的な「許容範囲の狭さ」などが抜けないようです。周辺諸国への領土にかんする主張や,国内の「民主化」への対応に,それはあらわれています。

 これではほんとうの「超大国」への道のりは遠い。
 正しくやれば「世界の新興国のリーダー」になるチャンスが,この10年ほどの中国にはあったはずなのに。

 それから韓国。この国も今「大国」への道を歩みつつあります。でも,最近のニュースのように,「大統領の名誉を棄損した」外国人記者を法的に処罰しようとしたりする。これは「小国」の政権の発想です。この発想なら,アメリカの大統領など,ジャーナリストを何万人起訴しても足りないでしょう。

 中国も韓国も,今「その先」へ行けないで,迷っている。
 それはかつての日本とも重なるところがある。「超大国になりそこねた日本」です。
 最近のニュースをみて,そんなことを思いました。

(以上)
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