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2014年10月19日 (日) | Edit |
 古い団地をリノベした我が家。
 家の本棚のあちこちには「なごむもの」を置いています。
 たとえば,こんなものです。
 
  ネコとウサギと馬

  多面体サイコロとお手玉

  多面体サイコロ

  エッフェル塔と象さんとカバ

  ミー

  ソ連製マグ

  地球儀と豆本と瓢箪

 いかにもゆるい感じの,値打ちのなさそうなものばかりです(^^;)
 たしかに,これらの多くは数百円以内で買いました。あとは,もらったものや実家にあったもの。
  
 お手玉は,母がつくったもの(中にアズキが入っている)。
 エッフェル塔は,友だちのフランスみやげ。
 カラフルなマグカップは20数年前にいただいた,今はなきソ連製。
 20面体サイコロは,子どものころから実家にあった。
 ひょうたんは,亡父がつくったもの。

 2000~3000円した「高額」のものもあります。
 青いガラスのうさぎ,青のカバ,地球儀はそう。これは,少数派。

 でも,こういうものでも,たまに眺めたり手にとったりすると,なごむのです。
 お客さんとのコミュニケーションも生まれます。

 エッフェル塔をはじめてみた子どもは,たいてい関心を示します。「これなあに?」「なかに何がはいってるの?」「エッフェエルとう,っていうんだよね」などとといいます。
 お手玉は,子どもはもちろん,大人も「なつかしいね」などといって,手にとったりします。

 多面体のサイコロは,もともとは大小をヨコに並べていましたが,お客さんの誰かがいつの間にか写真のようにタテに重ねて置いていて,以来その置き方をしています。

 小さなネコやウマを,大人でも子どもでも「かわいい」といってくれることがある。
 大人は見過ごすような小さなゾウ(カバの背にのせている)も,子どもはちゃんと気が付いて,いじくったりする。

 ***

 若いころは,よけいなものを身のまわりに並べるのは,好きではありませんでした。
 でも,10年くらいまえから「よけいなもの」をぽつぽつと並べるようになりました。
 そして,「よけいなもの」でなく「なごむもの」になったのでした。

 本や雑誌で紹介されている「ステキな暮らし」をしている人たちにも,影響を受けました。

 たとえば,10年ほど前に買い,今も読みかえす『大橋歩の生活術』という本には,大橋さんの自宅に並べてあるさまざまな雑貨やアートや置物や拾ってきた石などの写真がありました。

  大橋歩さんの本から (2)

  大橋歩さんの本から

 大橋さんはイラストレーターで,1960年代から活躍する大御所。
 「ステキな暮らし」系の大先輩みたいな人です。
 写真にあった品々は,いかにも「センス」や「美」を感じます。
 お値段もそれなりものが,あることでしょう。

 
大橋歩の生活術 (Magazine House mook)大橋歩の生活術 (Magazine House mook)
(2001/06)
大橋 歩

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 私がしているのは,そういう「大先輩」な人の模倣ですね。
 大衆的な・ささやかな模倣。
 団地にふさわしい,チープで「ゆるい」もの。
 それで,いいのだと思います。

 ***

 「それでいい」というのは,「自分なりのことをすればいい」ということですが,それだけではありません。
 「文化とか,人間のすることは結局は模倣だ」ということもあるのです。

 現代の私たちが「ステキな暮らし」系の本や雑誌で目にする,家のなかの「なごめるもの」のギャラリーはみな,昔の巨匠の模倣だからです。数十年以上前の,創造の最先端にいたアーティストのしていたことに,直接・間接に影響を受けている。

 そんな「昔の巨匠」の代表格に,チャールズ&レイ・イームズがいます。おもにミッドセンチュリー(1940~60年代)に活躍したデザイナーです。
 下の写真は,イームズの自宅の本棚です(『ブルータス』2011年7月15日号より)。

  イームズの本棚
 
 さっき,大橋歩さんの自宅に飾ってあるものに「センス」や「美」を感じる,と書きました。
 これは,あくまで「今どき」の感覚です。
 少し昔の一般的な感覚だと,ああいうものは「何がいいの?」「まるでおもちゃだね」ということになるはずです。

 そんな古典的な「美」や「アート」の価値観を打ち破って,それまで「ガラクタ」とみなされていたモノに積極的な価値を見出し,自宅に飾る。その飾り方も,おもちゃ箱をひっくり返したようなもの。伝統的な「陳列」のイメージではない。

 イームズは,そういう「革新」のさきがけ(少なくともその1人)でした。

 名もない民芸品やおもちゃを,彼らは愛しました。
 これは,最初のうちはじつに「異端」で「新しい」ことだったのです。

 数十年前には,世界の最先端を行く偉大なクリエイターのしていたことが,その後より広い範囲のアーティストや「高感度」な人たちのあいだに伝わり,それを団地のオジさんがささやかにマネをする。
 くりかえしますが,文化というのはそういうものです(^^;)

 関連記事:イームズの仕事

(以上) 
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コメント
この記事へのコメント
こんばんは
ちょうど僕が考え、記事にした内容と貴ブログの記事の内容に共通するものがあり非常に楽しくなりました。
僕は「なごむもの」ではなく「愛着あるもの」としましたが、似てはいませんか?

こちらがその記事なのですが、暇なときにちょっとでものぞいていただけたら嬉しいです。
http://kodokunahorosya.blog.fc2.com/blog-entry-742.html
2014/10/21(Tue) 19:37 | URL  | hajime #-[ 編集]
Re: こんばんは
コメントありがとうございます。さきほど記事を読んで,コメントをさせていただきました。
「愛着のあるもので生活を満たす」という考えに共感します。「愛着のあるもの」という言葉もしっくりきます。この記事の「なごむもの」は,「愛着のあるもの」のひとつのあり方ですね。
そんなことをコメントいたしました。
2014/10/22(Wed) 22:25 | URL  | そういち #-[ 編集]
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