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2013年03月10日 (日) | Edit |
キッチンからみたリビング
(団地リノベした我が家のリビング)

団地リノベーション(全面リフォーム)のメリットに,「比較的安いコストで,自分好みの家を手に入れられる」ということがあるでしょう。

古い団地は,近所にある新しいマンションよりもずっと安いです。さらにリノベーションの費用をかけても,トータルのコストは,おさえられるはず。

私の場合は,こうでした。40代はじめだった,2005年の春から夏にかけて,我が家(古い団地)を買って改装しました。
 
〇我が家……東京・多摩市の公団,1978年築,駅から5分ほど,面積66㎡
 
〇物件の価格    1800万円(不動産の取得費用含む)
〇リフォーム工事費 400万円+税(材料費含む)

上記のほかに,リフォームの設計・施工監理をお願いした設計事務所(テラバヤシ・セッケイ・ジムショ)への報酬があります。これが「数十万円」というところ。あと,若干の新しい家具や電化製品を買ったり,引っ越し費用が数十万円。

けっきょく,我が家を取得し,暮らしをはじめるまでのトータルのコストは「2300~2400万円」です。

***

以上は,団地リノベとしては,コスト高なほうだと思います。物件価格が「1800万円」と,「都心から1時間ほどの郊外にある,築30年の団地」としては高いのです。

それはウチが,古い団地では少ない「エレベーター付き」で,「66㎡」と団地としては比較的広く,さらに駅から近いため,わりと人気があるからです。

ただし,さらに人気の団地には,2000万円台のものもあります。23区内の便利な場所や,郊外でも住宅地としてのイメージがよい街の団地はそうです。それだと,築40年くらい,50㎡ほど,エレベーターなしであっても,相当な値段です。

それでも,ウチの近所の新築マンション(70~80㎡台)は,3000万円台です。90年代以降に建てられた同じくらいの広さの中古マンションだと,2000万円台後半から3000万円前後。これをいくらかリフォームするとしたら(100~200万円かけるとして),トータルで3000万円台になります。

さらに,団地はさがせばもっと安い物件があります。ウチの近くでも,もっと駅から離れた,50~60㎡の物件(築30数年)だと,1000万円前後のものも多くあります。

さらに都心から遠い場所で,似たような築年数や広さの物件だと,「数百万円」になるでしょう。しかも,その値段のものが「掘り出し物」ではなく,まとまった数存在しているのです。なにしろ団地はたくさんつくられましたので。
 
もし,1000万円の団地を買って300~400万円でリノベーションするとしたら,1300~1400万円。
 
自分のためにカスタマイズされた住居がその価格で手に入るとしたら,やはりローコストだといえるでしょう。もちろんデメリットはあります。50㎡ではやはり狭いし,耐震性はどうなんだ,とか。そのことはまたあらためて述べたいと思います。

***

数年前,ウチに住みはじめたころの自分なら,「団地リノベはローコスト」ということを,もっと強調したと思います。そのころの私は,「大手企業」のサラリーマンでした。同僚たちは,物件価格4000~5000万円の一戸建てや新築マンションを買っていました。30年くらいのローンを組んで,です。

それとの比較で,団地リノベの自宅を「安い」と感じていたのです。

でも3~4年前のあるとき,その感覚を修正する必要をつよく感じました。ウチがリフォーム関係のムック(雑誌型書籍)にとりあげられることになり,取材を受けたときのこと。そこで私は「団地はローコスト」ということをいったのでした。

すると,40代なかばの私よりひとまわり以上若い(であろう)フリーランスの女性編集者の方は,こういいました。

 「でも,今の若い人だと,1000何百万円なんてムリ,という人も多いんじゃないですか。フリーランスの仲間うちでも,団地もなかなか買えないね,なんて話してます」

うーん,たしかにそうですよね。当時の私は,会社勤めを辞めて自営を試み,それも撤退して,経済的に不安定な,というか真っ暗な状態にありました(今は,ある組織で契約職員として仕事をしています)。
 
今の自分だったら,「1000何百万円」の買い物なんてとてもできない……

編集者の話では,団地リノベに関心のある若い人たちのあいだで「勝ち組」という言葉があるそうです。団地を実際に買って,リノベーションした人のことを,そう呼ぶ。

団地リノベを「ローコスト」なんていうのは,バブリーなオジさんの感覚なのか。

自分は,同年代のほんとうにバブリーな人よりは,そこから自由なほうだと思っていたけど,甘かったなあ。たしかに,専門家にたのんで何百万円もかけて,自分の家をしつらえるなんて,ぜいたくなことだものね……

そう考え直したしだいです。

そこで,団地リノベの「ローコスト度」についても,「比較的」ということを強調するようになりました。あくまで「新築物件や,築年数の浅い中古をリフォームした場合とくらべて」ということです。

また,「オーダーメイドの家を手に入れる手段」としてはローコストなほうだ,という位置づけも明確にしているつもりです。もっとローコストを追求するなら,団地をDIY(自分でつくること)でリノベするという手もあります。田舎で二束三文の古い戸建てを買って,自分で修繕して住んでいる人もいます。

これはこれで,興味深い世界です。でも,自分にはとてもできない。私にかぎらず,誰にもできることではない。

「団地リノベ」は,「ローコストで住まいを追求する」世界のなかでは,まずまず現実的な路線ではないかと思っています。だから,ローコスト度も,そこそこなわけです。 

(以上)

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テーマ:建築デザイン
ジャンル:学問・文化・芸術
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