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2018年02月03日 (土) | Edit |
ビットコインのような今の仮想通貨は、自分では持っていませんが、重要なものだと思っています。

今は投機の手段としてのブームであり、それは一過性のものでしょう。最近のコインチェック騒動みたいなさまざまな不祥事が、これからもあるでしょう。技術的にもいろいろな変化があるはずです。

でもそういう短期的なことは別にして、数十年以上のスパンの長期でみれば、仮想通貨は、お金の歴史における世界史的な革新では、と思います。キワモノではないということです。

紀元前500年代にギリシアや中国でコインが本格的に流通しはじめたことや、西暦1000年頃の宋代の中国や1600年代以降の近代ヨーロッパで紙幣が使われるようになったことにも匹敵する革新なのではないかと。

この仮想通貨の技術で、決済(お金のやり取り)は、すごく簡便でローコストになります。巨大な組織による集中管理も不要です。

こういうことは一般に言われているわけですが、やはりその意義は大きく、いろんな使いみちがあるはずです。海外とのやり取りやスモールビジネスの決済に便利なのは明らかです。でも、それだけにはとどまらないでしょう。

今後は「投機対象」としてではない、「新しい決済手段」の技術革新としての仮想通貨の本来の価値のほうが、クローズアップされていくでしょう。そして、その価値を生かすための法制度などの社会的な枠組みをどうするのか、という議論が一層さかんになってくる。

そして、やがては仮想通貨の「価値」は「あたりまえ」になるはずです。

つまり、今の仮想通貨(もしくは仮想通貨的な技術)は、お金のデジタル化ということが、いよいよ本格的に実現する、そのスタートだと。

そもそも、コインにせよ紙幣にせよ、お金の技術革新によって登場する新しいお金は、みな「仮想通貨」だった、ともいえます。

コインは、それまでの青銅器文明で用いられた貨幣である金銀の粒やインゴット(かたまり)という「本来のお金」にかわる「仮想通貨」でした。しかし、コインという仮想通貨は社会に定着し、ふつうの、本来のお金になっていきます。

コインとは、額面などが刻まれ、権力や権威によって発行される金属の貨幣のこと。これは、それまでの金属の粒やインゴットにくらべ、決済の道具として簡便でした。粒やインゴットは、取引のたびに重さを天秤などで確認することが求められましたが、コインはそれが不要です。権力や約束によって、そのコインの価値(金額)が決まっているからです。

お札(紙幣)も、コインという「本来のお金」対する仮想通貨でした。デジタル技術ならぬ、当時の最新テクノロジーの「印刷」を用いた仮想通貨です。高額の取引のとき、コインを多く持ち運ぶのは重くて大変ですが、紙幣は軽くて便利です。紙幣もまた決済の簡便化をもたらしたのです。

昔は「兌換紙幣」(だかんしへい、金貨・銀貨という本来のお金との交換が保証されている紙幣)というしくみがありました。お札という仮想通貨をみんなに信用してもらうには、必要な制度でした。

しかし、今のお札は基本的に「不換紙幣」となりました。これはつまりお札が「本来のお金」に昇格したということ。

コインだって、もともとはその額面に相当する量の金銀などの「本来のお金」を含んでいる、という前提でした。しかし、のちには金銀の含有量は少なくなっていきます。つまりコインもまた不換紙幣的になっていきました。

でも、少ししか貴金属を含まないコインであっても、その価値を人びとは認め「本来のお金」として扱うようになっていったのです。

それならば仮想通貨も、いずれ事実上「本来の・本物のお金」になることが考えられます。

ただしそのときには、今のように比較的緩やかな規制でのもとで発行できるものではなく、国家権力の強い統制下におかれるのではないかと思います。

通貨発行は、公共性がきわめて高く、発行者に大きな利益をもたらし得る「ビジネス」です。国家は放っておかないです。ITによる電子的な通貨発行、つまり今の仮想通貨は、紙幣の印刷よりもコストの少ない、究極のビジネスになる可能性があります。

コインや紙幣にも、過去には比較的自由にいろんな主体が発行していた時代がありました。しかしその後、統制が強くなり、国家による独占の方向に進んでいったという歴史があります。

しかし一方で、ネット上の仮想通貨というのは、国家が統制しにくい面もあるかもしれない……それでも国家が本気になれば、わかりません。

このように、仮想通貨を「(あぶないかもしれない)儲け話」というのとは違う視点でみることも大事ではないでしょうか。ただし、今時点の仮想通貨はまだまだ発展途上であり、「本来のお金」とは相当な距離があることは、忘れてはいけないはずです。

(以上)
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