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2019年10月29日 (火) | Edit |
妻が家の近所でビルの一室を借りて、書道教室をしている。生徒さんは大人も子どももいるが、子どもが多い。今の場所に教室を構えて4年近く経つ。

教室には「おまけ」として、おもに子供向けの本を100何十冊並べた本棚を置いて、「そういち文庫」と呼んでいる。本は自宅から持ってきたものもあるが、ほとんどはこの文庫のために買ったものだ。頂いた本はほとんどない。

こういう文庫は、よく選んだ本をそろえないといけない。「要らなくなった本」を持ち寄ったのではダメだと思う。

そういち文庫で本を読む帽子の子

子どもたちはお稽古が終わってから、気が向いたら本を棚から取り出して読む。読まない子もいるけど、かなりの子が読む。それはお母さんが迎えに来るまでの、ほんの10分の間だったりする。

この「10分」はおおいに意味がある。

ほんの短い間でも、ぐりとぐらやだるまちゃんと遊んだ気持ちになったり、宇宙の構造や世界の国旗について知ったり、犬の写真集で癒されたり、「怪談レストラン」(松谷みよ子作の人気シリーズ)にドキドキしたり、「魔女の宅急便」のキキの成長や、書道マンガ「とめはねっ!」に登場する高校生たちの青春に自分を重ねたりするのは、有意義な時間だ。10分でも子どものアタマや心に、いろいろとのこしてくれるはずだ。

子どもの10分の読書は、大人の1時間くらいに匹敵するのではないか。

子どもたちは「この本をもっと読みたい」と思えば、借りることもできる。そういち文庫は開設4年目になるが、貸出のノートは今3冊め。ノート1冊には200件の貸し出し記録がある。文庫は、すごく繁盛しているわけではないが、それなりに機能している。

最初は貸出が大事だと思っていたが、最近は教室で合間にちょっと読むというのも、すごくいいと思っている。

同じ本を何度も手にするのに、その本を借りてはいかない子もいるが、そういう「合間の読書」をたのしんでいるのだろう。

忙しかったりで疲れ気味の子は、文庫には寄りつかない。

教室にはお手玉、サイコロ、万華鏡、キャラクターの置物、変わった文具などのちょっとしたおもちゃも置いてあるので、疲れた子はそれらをいじって癒しにする(子どもたちの様子は妻からいろいろ聞いている)。たしかにある程度余裕がないと読書は楽しめないよね……

3年前にこの教室で「オープンルーム」と称し、生徒やお母さん、友人・知人に来ていただいて交流会をした。そのとき私は、そういち文庫の蔵書を紹介するプレゼンをさせてもらった。この文庫の本は子ども時代の愛読書もあるし、近年の「これは」という本もある。本について語るのは楽しかった。

参加者のひとりのブロガー仲間の方は「そういちさんにとって本は人生そのものなんですね」と言っていた。そのとおり。一昨日から読書週間だそうだが、私は1年中読書週間だ。

(以上)
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